「大学の無償化」がしばしば話題になっていますが、家庭はどれぐらいお得になるんでしょうか?
大学の無償化制度の話を聞いて、教育費の負担を減らすために利用したいと考えている人は多いでしょう。制度の中で気になるのが、どのくらいの支援金額であるかです。 本記事では、大学無償化制度の概要を紹介するとともに、大学の平均授業料・入学料を紹介し、どのくらい負担が減るのかをみていきます。また、制度を利用するにあたっての注意点も紹介するためぜひ参考にしてください。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
2025年度から開始の大学無償化制度とは
2025年度から開始が予定されている大学無償化制度は、2023年12月22日に閣議決定された少子化対策に向けた新たな制度です。無償化制度によって支援される予定の金額は以下の通りとなります。 国公立大学 入学料:約28万円 授業料:約54万円 私立大学 入学料:約26万円 授業料:約70万円 支援の対象となるのは、扶養している子どもが3人以上いる世帯です。所得の制限はなく、大学・短大・高専・専門学校なども対象になり、広い範囲で利用できる制度といえるでしょう。 ■大学の平均授業料・入学料 ここでは、平成29年から令和3年までの平均授業料と入学料を、国立・公立・私立に分けて表1にまとめました。 表1
表は文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移を基に筆者が作成 無償化制度を利用すると、国公立大学では入学料と授業料のほぼ全額をまかなえます。私立大学でも、入学料はほぼ全額免除されますが授業料は20万円ほどの自己負担になると考えられるでしょう。
2025年度開始の大学無償化制度の注意点
ここでは、新しく始まる予定の大学無償化制度の注意点を紹介します。 ■3人以上扶養されている子どもがいなければ対象外 新しい無償化制度は、多子世帯を支援するための制度であり、利用するためには扶養されている子どもが3人以上いることが条件です。つまり、3人以上が同期間中に扶養されていなければならない点に注意しましょう。 例えば、子どもが3人の世帯で、1番上の子どもが大学に進学する際は支給対象となります。1番上の子どもが扶養内のうちに2番目の子どもが大学に進学すれば、2番目の子どもも支給の対象です。 しかし、3番目の子どもが進学する時点で、1番上の子どもが就職し扶養から外れている場合、3番目の子どもは支援を受けられません。 また、1番上の子どもが扶養から外れた時点で、2番目の子どもも支給対象外となってしまいます。大学無償化制度を利用するためには、3人以上の子どもが同時に扶養に入っていなければならない点を把握しておきましょう。 ■対象校以外への進学では利用できない 新しく始まる無償化制度では、支援対象となる学校が決められています。ほかの条件を満たしていても、対象校への進学でなければ支援は受けられません。 文部科学省の特設ページにて対象校を一覧で掲載しているため、制度の利用を検討している方は、事前に対象校をチェックしておきましょう。支援対象となる学校は定期的に更新されるため、こまめに確認しておくことをおすすめします。 現在、進学を検討している大学が対象外でも、今後支援対象校として追加されるかもしれません。