お笑いコンビ「レインボー」のコントをYouTubeで“無断”アニメ化 動画は「非公開」に…それでも残る“著作権法違反”訴訟リスク
レインボーらは「謝罪広告」など請求できるのか?
まず、本件においてジャンボ氏は、オンナのソノに対し、著作権侵害を理由に謝罪広告や損害賠償を求めることはできるのだろうか。 清水弁護士は本件について、事実関係の詳細が判明していないことを前提としつつ、まず謝罪広告について、「芸人さんたちは名誉回復等の措置として謝罪広告を求めることができる可能性があります」と説明する。 ただし、謝罪広告を求めるためにはオンナのソノが投稿した動画が、レインボーの「著作者人格権」を侵害したものと認められる必要があるという。 著作者人格権とは、作品を公表するか決める権利(公表権)、作品の公表時に著作者の名前を表示するかどうか・どのような名前で公表するかを決める権利(氏名表示権)、作品やそのタイトルを無断で改変されない権利(同一性保持権)の3つからなる。 「これらは著作物の創作者が作品に対して持つ人格的利益を保護する『著作者人格権』で、この著作者人格権を侵害された場合、相手に対して謝罪広告など名誉回復等の措置を求めることができると定められています(著作権法第115条)」(清水弁護士)
損害賠償も「請求できる可能性ある」
また、清水弁護士は損害賠償についても請求できる可能性はあるという。 今回、オンナのソノは、レインボーの動画コンテンツを参考資料として用いていたと認めている。これに対し清水弁護士は、「著作権には、既存の著作物を基にして新たな著作物を創作する『翻案権』という権利が含まれ、これも著作権者に認められている権利です(著作権法第27条)」と指摘。 「もちろん単にアイデアやテーマが似通っているだけでは翻案権の侵害とは言えませんが、基となった著作物の“表現上の本質的な特徴”が新たな著作物から感得できれば翻案権が侵害されたと言えます。 オンナのソノが投稿した動画から、レインボーなど芸人さんが投稿した動画の“表現上の本質的な特徴”が感得される場合には、著作権侵害が認められる可能性があり、そうなれば損害賠償を求めることができるでしょう」(清水弁護士)