二刀流日本人メジャーリーガーの現実味
日本ハムの二刀流、大谷翔平が、18日から行われるオールスターへ2年連続で出場する。昨年は外野手として初出場。今年は8日に16奪三振で8勝目を挙げた投手部門で選出された。前半戦を終えた時点での打撃成績は52試合で打率.282、出塁率.345、5本塁打、20打点。投手成績は15試合で9勝1敗、防御率2.23。117奪三振。順調に“二足のわらじ”を履きこなすプロ2年目だが、二刀流は一体、どこまで続くのか。将来のメジャー移籍を視野に入れている大谷は、メジャーでも二刀流に挑戦できるのか。奇想天外『史上初の二刀流日本人メジャー』の現実味を考えてみた。 “No. It would not happen here“(メジャーでは、起こらないだろうな)。 声の主はオリオールズのショーウォルター監督だ。「大谷が」という意味ではない。一般論として現在のメジャーで二刀流は、もはや非現実的と同監督は言う。「昔は結構いたよ。でも、今のメジャーでは1つのポジションをマスターするだけでもタフなんだ。2つを追い求めるだけの時間を費やすことは、とても困難だと思う」と首を振った。 かつてはメジャーにも二刀流がいた。有名なのは若き日のベーブ・ルースだろう。偉大な強打者として知られるルースだが、最初に頭角を現したのは、投手として。米国時間7月9日には、ルースが最初の所属球団のオリオールズから、レッドソックスにトレードされて丁度100年となった。1914年のメジャーデビューからレ軍では在籍6年間に通算158試合に登板し、89勝を挙げた。最も華々しい活躍は16年。リーグ最多40試合に登板して防御率もリーグ1位の1.75。翌17年は35試合に完投した。二刀流のピークは翌18年。投手として13勝7敗、防御率2.22。打っては打率3割、11本塁打で生涯に12回獲得する本塁打王に初めて輝いた。同年のワールドシリーズでは投手として2勝を挙げたが、翌年のヤンキースへのトレード放出後は打撃業に専念することになる。