子供を産む前に、会社や社会に対してできることって?キャリアカウンセラー&社会学者に聞いてみた|CLASSY.
今抱えている悩みや違和感はどんどん声に出していこう
山田:とはいえ、産後きちんと働けるのか、育児と仕事の両立ができるのかなど、不安に思う方は多いはず。私は、不安に思っている自分にきちんと向き合うことが大事だと思っています。不安はマイナスなイメージに捉えられがちですが、実は「不安を抱いている」という状態に気づけているということは、問題解決への大きなチャンス。漠然とした不安でも脳裏に浮かんだ単語を書き出してみると実際何が原因になっているかが可視化され、今取れる行動がわかることも多いです。 富永:たしかに、言語化することで解決する悩みは多いですよね。でも、悩みって言語化できないから悩みなので、モヤモヤした状態のまま「よくわらかないけど不安なの!」という状況を声に出してしまうのもアリだと思います。まずは、不安に思ってる自分を認めて、受け入れてあげて。明確な解決策を持たなくても口に出すことで、誰かが言語化してくれたり、組織を変えるきっかけにもなり得るはずです。 山田:ちょっとした違和感も口に出せるような機会を家庭や社内、地域で作れるといいですよね。
連帯感を持つことで私たちはもっと強くなれる
富永:一人で戦ったり頑張ることには限界があるので、同じ属性の人と不安を共有し、不安を声にしていくことが新しい制度を作る一歩になりますよね。 山田:あとは、励まし合える仲間を持つことも大切。今の日本社会は個人評価だけではなく、チームで新しい価値を生み出そうという「共創」の思考を重要視しています。お互いに気づいたことを伝え合える関係が女性のキャリアに関する悩みを改善すると考えています。 富永:たとえば産休に入る同僚にも「いつでも戻ってきてね」など、優しい言葉を掛けると、その言葉が未来の自分を救うことになります。連帯できる環境を自ら作ることも大切なのかもしれません。 -発展する社会に必要なのは「競争」ではなく「共創」。自分自身を正しく知り、自分が存在する意味を作っていきましょう(山田さん) -同じ属性の人とまとまりながら不安を共有して声を上げていくことで制度も社会も変わっていくはず(富永先生)