<札幌記念2024>夏の大一番!今年の注目ポイントと“過去の名勝負3選”を競馬の達人が解説
2021年/2頭のアイドルホースがそろい踏み!
札幌記念といえばエアグルーヴの連覇など牝馬の活躍も見られるレース。しかし当時を見ていない筆者としては、牝馬の活躍としてイメージが強いのは2021年です。この年に人気を集めたのはともにGⅠ2勝のラヴズオンリーユーとソダシ。見た目や名前からファンも多い2頭のアイドルホースです。 トーラスジェミニが逃げると前半3ハロン34.9秒と2014年以降では2番目に速いタイムを記録。道中もペースが緩まず1000m通過タイムも59.9秒とハイペースの底力勝負となりました。この流れを先に動いたのがソダシ。2番手追走から3コーナーではすでに先頭に立ち、迫るラヴズオンリーユーを凌ぎきって勝利を果たしました。 人気、実力を兼ね備えた2頭によるワンツー決着。その後、ソダシはヴィクトリアマイル1着や、ダートのフェブラリーステークスでも3着と好走。ラヴズオンリーユーはBCフィリー&メアターフ、香港カップと海外GⅠを制覇しました。
今年は資質が真逆の2強の上げ下げがポイントに
それでは最後に今年の札幌記念について触れたいと思います。ここまでの3戦で底力勝負というフレーズを使用してきました。というのも、札幌記念は洋芝で時計が掛かりやすく、直線も短いため仕掛けも速く底力勝負になりやすいという性質を有しています。そして、底力勝負になると上がりを要する展開となり、2014年以降の上がり1ハロンの平均値は12.2秒となります。 今年はプログノーシス、シャフリヤールの2強になりそうなメンバー構成。そして、2頭の資質は真逆であり、プログノーシスは底力勝負に強くシャフリヤールはトップスピード勝負に強いと筆者は考えています。実際にレースの上がり1ハロンが12.0秒以上になった場合、プログノーシスは国内で4戦3勝であるのに対し、シャフリヤールは5戦して3着が最高としています。 前述の通り、札幌記念は底力勝負になりやすい舞台。2強の評価はプログノーシス>シャフリヤールになると考えており、2頭の上げ下げがポイントになりそうです。 文/安井涼太 【安井涼太】 各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
日刊SPA!