木にしがみつくダブリンの猫「下りられるようになってから登ってちょうだい!」
こんにちは。世界を旅する犬猫写真家、新美敬子です。今回は、アイルランドの首都ダブリンと、隣国イギリスの首都ロンドンの猫たちです。 【猫写真19点】「下りることを学習してからにしてちょうだい」とお母さんにいわれ、少し恐縮したような、とてもかわいい顔をしていました 「まったくゴルディホンったら、カッコつけて木に登ったはいいけど、下りられないんだから!」。玄関から出てきたお母さんは大笑いをして、木を揺すりましたが、猫はよけい木にしがみつきました。 そのうち疲れたのか、前足を木から離し、ムササビのように飛んで地面に着地しました。 無事に着地したあとしばらくは、反省しているかのようにゴルディホンはじっとしていました。 「次に木に登るときは、下りることを学習してからにしてちょうだい」とお母さんにいわれ、「了解です」とふり向いたゴルディホン。少し恐縮したような、とてもかわいい顔をしていました。
アイルランドの首都ダブリンの中心部は、「大きい、だだっ広い」というのが最初の印象でした。他の国にはないほどのエネルギーを感じました。 中心部の西にあるダブリン動物園のあたりを散策すると、原っぱで日向ぼっこをしている猫がいました。 姿勢を低くして猫目線になれば、猫はやさしい表情になりました。よく日があたり、“萌える匂い”と言えるような草の香りが漂っていました。
横腹に弓矢の的のような模様(クラシックタビー)がある猫が、堂々とした歩き方で現れました。 しっかりとした毛並みで、ダブルコートの夏仕様と思われます。ダブルコートとは、毛並みがアンダーコートとオーバーコートの二重構造になっていて、保温効果の高いアンダーコートが夏には抜け落ち、涼しく過ごせる仕組みです。 「夏仕様で涼しくていいね」と話しかけると、「そだよ。夏はお手入れも簡単でいいよ」と毛繕いを見せてくれました。 有名なギネスビールはダブリン発祥で、工場跡にビールのテーマパークが造られています。その周辺を散策すると、大きな窓の家の猫がビール工場の方を見ていました。 耳を澄ますと工場見学者の声がときおり聞こえてきて、同時にビール酵母の香りが漂ってきました。窓辺にいた猫も耳をそば立て、鼻に神経を集中させているようでした。