万博の大屋根「リング」初公開 閉幕後に撤去、無駄と批判も
2025年大阪・関西万博の象徴に位置付けられる木造大屋根「リング」の建設現場が27日、報道陣に初めて公開された。全体の会場整備費は当初の1.9倍となる最大2350億円に膨張。日本国際博覧会協会はうち350億円を投じるリングを閉幕後撤去する方針で、「世界一高い日傘」とやゆする声や無駄遣いとの批判が出ている。 リングは1周約2キロの環状デッキで、協会はこの日、大阪市の人工島・夢洲で大手ゼネコン「大林組」が中心に建設を進めるエリアを公開。「貫接合」と呼ばれる伝統工法を用いて木材を組み上げる様子や、一部完成した高さ約12メートル、幅約30メートルの回廊も披露した。工事進捗率は35%ほどで「順調だ」としている。 会場整備費は資材価格高騰などを背景に2度上振れし、当初の1250億円から大幅に膨らんだ。リング整備費も当初想定の180億円から2倍近くに増えている。 自見英子万博相は「日よけの熱中症対策として大きな役割を果たす」と理解を求めているが、野党は「世界最大級の無駄遣いだ」と批判している。