日産株が大幅続落、不安定な値動き続く-株価急騰の反動も出やすい
(ブルームバーグ): 大納会30日の東京株式市場で日産自動車の株価が大幅続落、不安定な値動きが続いている。ホンダと設立を協議する共同持ち株会社の出資比率やリストラの実行力などの不透明感を背景に、急騰後の反動も出やすい状況だ。
株価は先週末終値をやや上回る場面もあったが、一時6.7%安の475円まで売られた。同社はホンダとの共同持ち株会社の設立を検討しており、改革期待などから27日に553.7円を付けた後は、一転して売りに押されている。
フィリップ証券の笹木和弘リサーチ部長は、共同持ち株会社への出資比率が5対1という報道が利益確定売りのきっかけになったと指摘。販売金融債権という与信リスクを抱えた債権比率の高さなど財務面の懸念もあるとし、株価は上げ幅の半分を戻す450円前後まで調整することもあり得るとみる。
コプレイ・ファンド・リサーチの創設者スティーブン・ホールデン氏は「世界のファンドによるポジションのオープンやクローズの観点からは、日産を取り巻く環境にポジティブな動きはほとんど見られない」と語った。ファンドが2025年に向けて、自動車メーカーから大手テクノロジー企業へと投資先をシフトする世界的なトレンドの中、日産は負け組の一つになると見込む。
--取材協力:アリス・フレンチ.
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Toshiro Hasegawa, Aya Wagatsuma