助けてよ～！

社会との摩擦、その「障壁」とともに生きていく――。食欲旺盛な“うさばに”は生えている食べ物を食べ尽くしては、土地を転々としていた。そんなうさばにたちがやってきたのが、増殖を続ける“ニンジン”たちが征服しようとしていた森で……。共生するうえで起こりうる問題をわかりやすく描いたメガネ学専攻さん(@8_senkou)の創作漫画「うさばに」を紹介するとともにインタビューを行った。 【漫画】「うさばに」本編を読む ■「ただ好きなものをおなかいっぱい食べていたいだけなのに…また追放されるの？」 急激に増殖して森を侵略しようとするニンジンたち。その地にあるものを食べ尽くしてしまう食欲旺盛なうさばに。そんなうさばにを利用してニンジンから森を守りたい“わた毛”。本作は、森で共存するための三者の葛藤が描かれている。 作者のメガネ学専攻さんは、本作を描くきっかけについて「飼っているペットが目を離した隙に、隠しておいたおやつの大袋をむしゃむしゃむさぼり食っていた姿を発見し、思わず爆笑したことがありました。同時に『食』に対して一生懸命なところに胸を打たれて、とんでもなく食いしん坊なキャラクターを描いたらおもしろいんじゃないかと思ったんです」と教えてくれた。 本作のテーマは各々の特性により発生する社会との摩擦、その「障壁」とともに生きていくということについて描かれている。メガネ学専攻さんは「今回のテーマであれば、もっとリアルな設定・描写でシリアスな漫画を描くこともできました。ですが、あえてフィクション感の強い作風にすることで誰でも気軽に読めて、少し笑顔になれるような漫画に仕上げたいという想いがありました。 ただ同時に、私たちの生活と地続きの内容であることも少し意識してもらえたらという想いで、時々リアルな描写をはさんでいます」と話す。 特にうさばにたちの表情やポーズにこだわったそう。序盤ではうさばにたちのかわいい姿を、後半では読者の方々に共感してもらうため、正直かつ切実な姿を見せられるよう、納得できるまで何度も描き直したという。 「ただのかわいい話かと思ったら、考えさせられました」「共存とは、互いを理解することからですよね」と反響を呼ぶ作品。ぜひ読んでみてほしい。 ■取材協力：メガネ学専攻(@8_senkou)