ドラフト 明大・宗山塁に5球団競合で楽天が交渉権 目標はまず「開幕スタメンと新人王」
楽天は24日、東京都内で行われたドラフト会議で明大・宗山塁内野手（21）を1位指名し、西武、広島、日本ハム、ソフトバンクとの5競合の末に抽選で交渉権を獲得した。「20年に一人の逸材」と称されるアマチュア球界ナンバーワン遊撃手は、東京・千代田区の明大駿河台キャンパスで来季の開幕戦出場と新人王を目標に掲げた。 宗山は、5球団競合の末に楽天が交渉権を獲得した後もポーカーフェースを崩さなかった。それでも来年の目標を問われると、開幕スタメンと新人王を掲げた。 「開幕から試合に出て新人王を目標にやっていけたら。日本代表など、トップでプレーし続けられる選手を目指す。ファンの方に愛される選手になりたい」 楽天とは縁がある。明大の先輩にあたる故星野仙一氏が2011－14年に楽天の監督を務め、13年には球団創設初の日本一に導いた。宗山は13年は小学5年生。第6戦で完投勝利を挙げた田中将大が第7戦は抑えで登板し、胴上げ投手になったシーンを覚えているといい、星野氏については「本当に偉大な先輩。自分は人としての部分が、まだまだ未熟だと思う。これから磨いていけたら」と貪欲に話した。 野球用語でもある名前の「塁（るい）」は、野球をしてほしいという両親の思いが込められている。高校は父、伸吉さんと同じく広島・広陵高でプレー。同校野球部で外野手だった父の教えは「考えて10回やった練習のほうが絶対、身になる」。アマチュア球界屈指の遊撃手に成長した宗山は「両親がいなければ野球も続けられていない。これからは自分が恩返しする立場なので、親孝行できたら」と決意を新たにした。 ドラフト会議後に石井一久球団シニアディレクター（51）、くじを引いた森井誠之球団社長（50）らの指名あいさつを受け、三木監督のサインが入った交渉権確定の用紙を手渡された。 「（5球団に）指名された瞬間はびっくりした。まだスタートライン。村林選手ら内野の選手には自分から積極的にアドバイスを聞きに行きたい」。走攻守に三拍子そろう逸材は〝日本の野球界でトップの遊撃手になりたい〟という未来予想図を描く。野球人・宗山塁の大航海が始まる。（児嶋基）
