同姓同名の別人に全英賞金1700万円が振り込まれ大騒動。その理由と結末は?
7月に行われた男子ゴルフの全英オープンで12位タイに入ったトミー・フリートウッド(27、イングランド)の賞金約1700万円が、米国フロリダ州に住む同姓同名の58歳の別人の銀行口座に振り込まれた問題が全米英で大きな話題となっている。 世界ランク11位のトミー選手、、全英で12位タイに入ったことで得た15万4000ドル(約1700万円)の賞金がフロリダ州クレアモント在住のゴルフのレッスンプロでキャディーもしている同姓同名のトミーさんに英国の銀行バークレイズから間違って送金されたのが今月3日。トミーさんは、すぐに銀行に連絡したが、これらの出来事を友人でフロリダのPGAプロのグレッグ・ソーナー氏がツイッターに投稿して大騒動となった。 米国ゴルフマガジン社のゴルフドットコムによると、まったく思い当たる節のない送金の連絡があり、銀行預金口座が、6桁に増えたのを見たトミーさんは、その瞬間、「自分はとてものんびりしている。大抵の人であれば、飛び上がるところだが、自分は『別に』という感じだった」という。 また友人がこの間違い送金事件をツイートして、トミーさんの電話がパンク状態になったが、「トミー選手本人と話すまで誰とも話したくなかった」と電話を取らなかったという。 トミーさんは、トミー選手のフェイスブックページにあった連絡先へメッセージを送った。トミー選手のマネージャーでもあるクレア夫人にも、Eメールを数通送ったが届かなかった。トミーさんは、賞金の送金間違いがネット上で大問題になっていることを知り、トミー選手が、「賞金がどこに行ってしまったかを知らなかった」という事実も確認。夕方になり、ようやくトミー選手の関係者と連絡を取ることができた。 今回のミスは、欧州ツアーの事務処理が原因。現レッスンプロの58歳のトミーさんは、1989年にフランスのリヨンで行われたツアーに出場した経験があり、その際、銀行口座などの個人情報が登録されたため、欧州ツアー側が間違って送金したようである。 ただ、トミーさんによると、2017年にトミー選手が欧州ツアーで2勝した際にも、同姓同名の彼のフェイスブックに間違った祝福メッセージが届いたことがあるという。 トミーさんは、すぐに賞金を送り返すつもりだったが、週明けの月曜日(6日)は、多忙で銀行にいけず、火曜日(7日)は仕事が休みの日で銀行にいくことを忘れていた。すると、水曜日(8日)になって欧州ツアーの事務局から、気分が悪くなるようなメールが届いた。 前出のゴルフドットコムによると、そのメールは「送金の間違いです。返金をお願いします。これがその情報です」とだけ書かれており、トミーさんは「最初から返金を予定していました。あなた方から無作為に送られてきたEメールがあったから返金するわけではありません。お金は返します」と返信した。 トミーさんは、水曜日(8日)の仕事後に地元にあるウェルズファーゴに立ち寄り、入金された賞金を送り返す手続きを終え、「彼の銀行口座は通常に戻った」という。 トミーさんは「自分はまた貧乏になった」と笑いながらコメントした。返金の手続きは8日の午後5時には完了した。 同記事は「彼ら2人が、今度、どのように連絡を取り合っていくかはわからない。そして、おそらく、こういう間違いが、もう二度と起こることはないだろうが、トミーさんには、次も送金を受け取る準備はできている」というジョークでまとめられ「もしトミー選手が全英オープンを勝っていたらもっと良かった。自分の口座で170万ドル(約1億9000万円)の金額を見てみたかったから」というトミーさんの声を伝えている。