S4改め、アウディS5 アバントへ試乗 3.0L V6ターボのHVで367ps! 新デザインテーマの車内
新デザインテーマが展開されるインテリア
インテリアは、新しいQ6 e-トロンから採用の始まった、新しいデザインテーマが展開される。ワイドなタッチモニターが前面に広がり、モダンでハイテクな雰囲気を生んでいるが、正直なところ最近のモデルでは見慣れた感もある。 タッチモニターの操作性は良い。システムの反応も。これで、エアコンやインフォテインメント・システム用に、実際に押せるハードタイプのショートカットが用意されていれば、ぐっと印象は高まるはず。 助手席側にも、タッチモニターをオプションで追加できる。ユーチューブなどのアプリを追加できるが、エアコンの操作などはできない。自身のiPadを持ち込めば、同等の体験は得られそうだ。 用意された試乗車はドイツ仕様で、内装がウッドトリムとマイクロスウェードで華やかにコーディネートされた例もあった。写真にある、バーガンディのシートも印象的だ。しかし英国仕様では、落ち着いた選択肢へ絞られるらしい。 リアシート側の空間は、このクラスとしては広め。荷室容量はBMW 3シリーズより僅かに小さく、サルーンで445L、アバントは476Lある。ちなみにS5の場合、ハイブリッド・システムが載る都合で、荷室の床下収納は利用できない。
最高出力367ps 聴き応えあるサウンド
さて、新しいV6ハイブリッドは大きな印象の違いを生んでいる。市街地などは電気だけで走行可能で、ノイズは大幅に抑えられている。燃費が伸びる可能性も高く、実際に今回の試乗では、そんな条件で14.0km/L以上が表示されていた。 アクセルオフ時、エネルギー回生に伴う減速感はかなり控えめ。モーターから、特徴的なノイズが響く。 流れの速い郊外の道では、ハイブリッドの存在は一気に薄まるが、電気アシストが加わるアクセルレスポンスは鮮明。最高出力は367psで、スルスルと加速していき、動力性能は文句なしだろう。 V6エンジンのサウンドも聴き応えがある。目の覚めるような音響ではないものの、ハーモニーは心地良い。メルセデス・ベンツやBMWの直列6気筒エンジンより、ザラついた感じが悪くない。 7速デュアルクラッチATは、シフトパドルの操作へ間髪入れず反応する。ただし、全力ダッシュ時の変速は少しマイルド。レッドラインの手前で、自動的にシフトアップする。低速域では、若干ギクシャクした感じも見られた。 カーブが連続する区間に飛び込めば、予想以上の滑沢さでドライバーを喜ばせる。新しいセンターデフを獲得し、従来より多くのトルクがリアアクスルへ割り振られるようになり、一層好ましい体験を生んでいる。 シャシーバランスは素晴らしく、コーナー出口での加速は意欲的。右足の加減次第で、コーナリングラインやスタンスを調整することも可能だ。