「大カプコン展」の見どころは? カプコンならではの「ゲームクリエイションの裏側」にせまる
大阪中之島美術館で企画展「大カプコン展 ―世界を魅了するゲームクリエイション」が来年3月20日より開催。それに先立ち、展覧会に関する詳細が発表された。本展を担当するのは、植木啓子(大阪中之島美術館 学芸課長)、牧野泰之(カプコン プロデューサー)。 ゲームソフトメーカー「カプコン」は、1983年大阪に本社が設立され、対戦格闘ゲームの歴史を築いてきた「ストリートファイター」シリーズやサバイバルホラーゲームの金字塔 「バイオハザード」シリーズ、社会現象となった「モンスターハンター」シリーズなど、数多くのタイトルを開発し、 世界の人々を魅了してきた。本展は、創業40周年を迎えたカプコンのゲームクリエイションに注目し、その原点から最新技術まで、総合的に紹介する初の展覧会となる。 会場は、Round1~3、BOUNUS STAGEの全4章立ての構成。Round1は、カプコンのこれまでの活動を軸に、ゲームの歴史を振り返るエリアとなる。 展示室入口では、カプコンキャラクターによる大行進アニメーションが上映。16メートルにわたる巨大なアニメーションが鑑賞者を会場内に誘うものとなる。また、ゲーム業界やカプコンの歴史を年代順に振り返る年表も掲示。歴代のゲーム機やソフトの実物もあわせて展示・紹介されるという。 Round2では、「テクノロジー×アート×アイデア」を掛けあわせ進化してきた、ゲーム業界、そしてカプコンならではの創意工夫の歴史をたどるものとなる。 例えば、「ドット絵の流儀」というコーナーでは、様々な制約や工夫のなかで制作されてきた「ドット絵」にフォーカス。現行のデジタルツールでの制作とは異なる黎明期のグラフィック制作の在り方が紹介されるといった、制作陣肝入りのトピックだ。ほかにも、同エリアでは、本展初公開となる過去のゲームの仕様書や企画書、効果音づくりについて深掘りするコーナーも設置される予定だ。 Round3では、「カプコンらしさ」を生み出すための、ものづくりのこだわりに注目する。カプコンのキャラクターならではの造形や筋肉の描き方など、架空の世界観や人物像にいかにリアリティを持たせてきたのかという工夫にせまるものとなる。 とくに、石膏像とプロジェクションマッピングを掛けあわせたコンテンツは必見だ。「ストリートファイター」の春麗や「デビルメイクライ」のダンテの像を設置し、3DCG制作のリアルなつくり込みや制作プロセスをわかりやすく紹介するという。 カプコンによるゲームクリエイションの裏側を学んだあと、来場者はその一端を体験できるBONUS STAGEへと歩みを進めることができる。ここでは、「ストリートファイター」のリュウによる「波動拳」や「逆転裁判」の成歩堂龍一による「異議あり!」などのモーションを楽しめる「モーションキャプチャーミラー」や、キャラクターのドット絵を実際に制作することができる「ドット打ち」体験も。自身で制作したドット絵はQRコードを通じて持ち帰ることも可能となっている。 なお、チケット情報は12月中旬頃に公開予定のため、続報を待ちたい。