氷上を走る世界最先端のカーレース!EVの楽しみを広げるこれからのモータースポーツの在り方
カップルやファミリーで賑わう新横浜の一角にある新横浜スケートセンターで、珍しい氷上のインドアモータースポーツ「SDGs 氷上電気カート競技会(SDGs ERK on ICE)」が行われた。 ▶︎すべての写真を見る 「ERK」とは「Electric Racing Kart」。つまり電気モーター駆動のレーシングカートの略称で、電池やモーターの性能次第では時速140kmを超える速度での走行可能な高性能マシン。二酸化炭素の排出もないのでクリーン&サイレントなモータースポーツとして年々愛好家を増やしている。
排ガスのないクリーンなカートはインドアとの相性も良く、車体に特別仕様のスタッドレスタイヤを履かせることによって、「スケートリンクでカーレース」というゲームのような状況が実現。コンピュータ制御によって最高速度を抑え、適度に滑り、適度にグリップする独特な乗り味を安全に楽しめる。 開会式では電気自動車(EV)の普及を目指し活動している市民団体、日本EVクラブの代表を務める自動車評論家・舘内 端さんが挨拶を行い、ERKが日本のみならず世界の最先端のモータースポーツであることや、世界の二酸化炭素排出量のうち約20%の原因となっているモーターリゼーションを変革しうるEVの可能性について語った。
氷上ならではのレースの醍醐味
同イベントではスケートリンクを2周して勝敗を争う「ビギナークラス」、3周で争う「エキスパートクラス」、本大会で競技に使う車両提供をしERKオーナー6チームによる「オーナーズクラス」の3クラスの競技が行われる。 「ビギナーズクラス」から幕を開けた競技会。1周わずか約100mのコースをカートがフラッグの合図で一斉に走りだすと、すぐさま激しいレースが展開される。直線でのスピード感やカーブでのコース取りやせめぎ合いはモータースポーツの興奮そのままであることがすぐにわかる。
特に摩擦の少ない氷上ではカーブでのハンドリングが難しいようで、派手にスピンするカートが続出。それによって状況が常に二転三転するので、コース2周の短いレースからは常に目が離せない楽しさがあった。細かなハンドルさばきで車体を制御する巧みなドライバーには、観客席から惜しみない拍手が送られた。 続いて3周で勝敗を決する「エキスパートクラス」には、普段からカーレースに参加している、あるいは過去の「SDGs ERK on ICE」への参加経験もあるなど、熟達したドライバーが多く参加。氷上では白熱した駆け引きに引き込まれるレースが多く展開された。