ホンダ新型「シビックRS」のプロトタイプに乗った!「タイプR」とは違う気持ちよさが楽しい! エンジンレスポンスの鋭さに感動【Key's note】
エンジンレスポンス以外にも気持ちよさを徹底追求
ホンダは2040年までに、すべての内燃機関からの撤退を表明している。だが、それまでにはまだ16年もの期間がある。内燃機関開発の手を緩めることはせず、まだまだガソリンエンジンの持つ走りの楽しさを追求してくれているのだ。 そこまで気持ちが走っているのだから、操縦性関係にも力が込められているのはあきらかだ。車高が5mmダウンしたばかりか、コイルスプリングやスタビライザーのバネ条数を高めている。 地を這う感覚は一層強くなった。前後にグッドイヤー・イーグルF1アシンメトリック2の235/40R18が組み込まれているが、そのスポーティタイヤがスキール音を上げる直前まで攻め込んでも、不自然なロール姿勢に陥ることはなかった。つねにフラットライドをキープしているのである。 ダンバーの減衰力も数値には変更はないものの、径の拡大やバルブの変更によって、初期の応答性を高めたという。どうりでシャープに反応するものだと感心した。それよりも際立っていたのは、ステアリング応答性が鋭いことだ。コーナを前にややアップテンポに切り込むと、曖昧さがなく切り込んでいく。ことさら身構えずに切り込んだとたん、ハッとしてしまった。 その理由はフロントコンプライアンスブッシュのラバーを液封式からソリッドに改めたためだ。ステアリングのトーションバーも、レートで60%も強化させたらしい。 不思議に感じたのは、アクティブサウンドコントロールが組み込まれていないことだ。日ごとに強化される騒音規制によって、そもそもエキゾーストサウンドは大人しくなる一方である。シビックRSもエンジンレスポンスがシャープになり、フットワークも軽快になった。できればそれに見合うサウンドがほしいところである。 ちなみに、乗り心地に悪化の気配はない。たしかにホンダの狙い通り、RSはタイプRではトゥーマッチと感じるユーザーにとって理想的である。日常的に味わえるホンダスポーツの誕生を歓迎したい。
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