「私たちの募金、どんなふうに役立つの?」トルコ・シリア地震被災地支援募金への疑問を解決
団体の「活動報告」に注目してほしい
――さまざまな団体が募金を呼び掛けている状況ですが、募金先を選ぶときのポイントなどはありますか? 永井温子: こういった災害が起こると、残念なことに支援金詐欺が出てくる場合もあります。募金先を正しく選ぶために、きちんと実績がある団体なのかどうか、活動報告がどれくらい上がっているかを確認するとよいかと思います。「ADRA Japan」の場合は、ホームページやSNSなどで活動の情報を発信しています。 ――たしかに、具体的な「活動報告」を確認することはとても大事ですね。 永井温子: 連日流れるトルコ・シリア地震関連のニュースを見て、悲しい気持ちになる人も少なくないはずです。けれど私たちは活動報告を通して、支援の現場にある“笑顔”についても詳しく知ってほしいんです。暖かい毛布にくるまっている赤ちゃんや、嬉しそうに食事をしている子供たち、ほっとした顔をしているご両親のお顔を、ぜひ見てほしい。 募金をするとき、たったこれっぽっちの額ではなんの役にも立たないと思ってしまう人もいるかもしれません。けれど、活動報告を見てもらえれば、たとえ少額であっても確実に役に立つと理解してもらえると思います。さらに募金をした後も、活動報告をチェックしていただくことで、自分の支援がちゃんと届いていることを実感していただけます。個人が直接的な支援活動をするのは難しいですが、そのために私たちのようなNGOがいるので、協力しあって一緒に支援をしていると感じてもらえると嬉しいです。 === 永井温子(ながいあつこ) 「特定非営利活動法人 ADRA Japan(アドラ・ジャパン)」広報・ファンドレイジング担当。ADRA(アドラ)は、世界約120か国に支部を持ち、国連とも協働している世界最大規模の国際NGO。「ひとつの命から世界を変える」をモットーに、人種、宗教、政治の区別なく、災害・紛争の被災地や途上国において人々に寄り添った支援に取り組んでいる。