【バスケ】ブースターからの「おかえり」に涙 タッカー・ヘイモンド「思わず感情的に」 信州ブレイブウォリアーズ“2年越しの初出場”で連勝貢献
勝久HC「スマートな選手」 短期契約でもチームに好影響
チーム編成も担う勝久HCによると、ヘイモンドとの契約はビュフォードがロスターに復帰するまでの短期契約であるとのこと。しかし、ヘイモンドの一時的な加入も信州の成長に間違いなくプラスに働くだろう。 得点力やプレーメイキング能力はもちろんだが、特筆すべき点はディフェンスの遂行力だ。勝久HCのシステムは緻密であり、ポジショニングなど些細なズレも妥協しないことで有名で、その感覚を身につけるにはどんなベテランであろうと最初は苦労する。 その点、ヘイモンドは昨季にも指揮官の下でプレーしており、選手の大半はともにプレーしたことがある。だからこそチームの頭脳であるPGの役割を担い、味方を生かすアシストやチームディフェンスを見事に遂行することができたのだ。 勝久HCは「(福島戦までの)この3日間は、我々が今やろうとしていることを(ヘイモンドに)覚えさせることを中心にやってきました」とヘイモンド合流後のチームを振り返る。 「合流前の電話では『いいバランスを取らないといけない』ということも話し、頭に詰め込み過ぎてもよくない。でも、短期間で覚えなきゃいけないことはある。本人がアグレッシブにクリアなマインドでプレーしながら、チームで動くために分かっていないといけないことを伝える。このバランスを3日間でお互い上手く取れたかなと思う」 そのうえで、ヘイモンドの活躍には最大級の賛辞を送った。 「元々スマートな選手だと思いますし、ファンダメンタルがありますし、プロフェッショナル。練習でもウォークスルーでも、ビデオミーティングでも一つひとつ集中してディテールを大事にして取り組む選手。そういうプロフェッショナルな選手だからこそこういう結果に繋がったと思う」
5連勝で締めた前半戦 後半戦はチームの成長が鍵に
第1戦で目覚ましい活躍を見せたヘイモンドは特別賞を受賞し、試合後にはブースターに向けてマイクを握った。 「みなさんこんにちは。ただいま。今日は応援ありがとうございました。信州に帰って来れて嬉しく思います」 会場からは「おかえり」の声がこだました。 試合後の会見でその場面について聞かれたヘイモンドは、言葉を詰まらせながらファンへの感謝を口にした。 「思わず感情的にもなりましたし、ウェルカムな雰囲気をファンの方たちがつくってくれたことに対して感謝しています。家族と一緒に日本で過ごす中で、初めて息子の前でプレーすることもできて、とても素晴らしい経験でした」 1年間プレーできなかった悔しさや、それでも腐らずに努力を続けてきた真摯な姿勢。そして、チャンスをつかみ、見事に結果へと結びつけたヘイモンド。約20分の会見を終えてたとき、記者たちからは拍手が沸き起こった。 主力選手を欠きながらも、ヘイモンドの活躍もあり、連勝を「5」に伸ばした信州ブレイブウォリアーズ。前半戦30試合を消化して、20勝10敗で東地区3位につけており、プレーオフ進出に向けては負けられない戦いが続く。ヘイモンドの加入を勢いに変え、勝利を重ねていくことができるか。勝負の後半戦でも、優勝にふさわしいチームへと日々成長を目指す。
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