「上に行くことの大変さを後輩たちに教えてくれたのかな」 大分東明、4強ならずも強豪相手に新しい歴史の一歩【全国高校ラグビー】
◆全国高校ラグビー大会準々決勝 大分東明19―24常翔学園(3日、花園ラグビー場) ■感動秘話…今は亡きリョウスケ君も優勝メンバー一員に【写真】 相手の常翔学園は、昭和12年創部、今大会が花園出場42回目で、過去に優勝5回。一方、大分東明は昭和54年創部で花園5回目の今大会、初のベスト8進出。その新興勢力が古豪と渡り合い、一度は逆転にも成功。ただ後半はノートライ。19―24と、1トライ差が及ばず惜敗。計10個のペナルティで、持ち味の躍動感が奪われた。 「いろんな部分で、相手の方が一枚上。駆け引きのところで、相手の方がそういったところは伝統なんだろうな、というのは感じました」と白田誠明監督。FW第1列がスクラムで崩され、コラプシングを再三取られたシーンに「(スクラムが)落ちてしまったときにそう見えないよう、もしかしたら組み方だったり、そういったところで相手の方が知識がいろいろとあったんだろうなと思いました」と悔やんだ。 試合終了直前には、二度にわたり、ゴールラインの向こうにボールを持ち込んだが、いずれもグラウディングができていないとの判定。ラストプレーでゴール前まで突進したロックの主将・石川波潤(3年)は「もう一回加速できればトライが取れたかもしれない。自分としては、ホントに申し訳ない」。それでも初の準々決勝で、地元大阪の強豪相手に一歩も引かない大健闘ぶり。初戦の高鍋(熊本)戦は26―26のドロー。抽選で3回戦進出を果たすなど「新しい歴史を築いて、これから上に行くことの大変さを後輩たちに教えてくれたのかなと思う」と白田監督。積み重ねたこの貴重な経験こそが、新たな伝統の〝基礎〟になる。