なぜ「闇バイト強盗」対策で「時間稼ぎ」が有効?サイバー視点で防犯対策を考えてみた
実は効果的な「時間稼ぎ」とは
冒頭の新聞記事では、最初から破壊的侵入と強盗をするつもりで来ているので、防犯カメラや防犯ライトはあまり抑止効果はないとする(事後の捜査には重要)。指示役が携帯電話で現場指示をすることもあるが、場所だけ指定して、高圧的に金額やノルマだけ与える。応募してきた実行犯の個人情報などで半ば脅迫しながら実行犯を追い詰めている。結果としてかなり荒っぽい手口になる。 しかし、それでも侵入までの時間稼ぎは有効な対策となる。防犯ライトも警報音を発するようなものなら、実行犯を怯ませる可能性がある。二重窓や防犯ガラスも時間稼ぎになる。下手に実行犯に対峙するより逃げ出す時間、通報する時間を確保すべきだろう。 闇バイト強盗は、残念ながらこれまでの防犯対策では不十分と言える。事前の情報収集や情報共有も重要だが限界がある。ただし、ここで示したように、サイバーセキュリティ対策でも適用できるアプローチはある。考えられる事前の防犯対策を施すことは大前提であるが、やはり被害が発生したとき、周辺への周知、警察への通報、避難場所・経路の確保といった対処方法を考えておく必要はあるだろう。
〔参考文献〕 ・Telegram to disclose to authorities phone numbers, IP addresses of those who violate messenger's rules:(Kyiv Independent) https://kyivindependent.com/telegram-to-disclose-to-authorities-phone-numbers-ip-addresses-of-those-who-violate-messengers-rules/ ・闇バイト」は犯罪実行者の募集です(警察庁) https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/yamibaito/hanzaishaboshu.html
執筆:フリーランスライター 中尾 真二