なぜ「闇バイト強盗」対策で「時間稼ぎ」が有効?サイバー視点で防犯対策を考えてみた
「闇バイト」見破りに超有効な「あるポイント」
闇バイトに加担しないためには、求人サイトに掲載されている怪しい求人を見抜くリテラシーも重要だ。これはフィッシングメールや詐欺サイトを見抜くスキルが適用可能である。募集内容はシール貼りやアンケート調査のような簡単なものが多いという。大手サイトにも募集をかけているというので、募集サイトの規模や信頼性はあてにならない。 フィッシングや詐欺を見抜くのと同様に、募集企業の実在性・真正性の確認は有効だ。連絡先が携帯電話だけ、会社や住所を検索してもそれらしい情報が出てこない。フィッシング対策では、怪しいと思ったら接続する前に立ち止まる、考えることが重要とされる(Stop Think Connect)。これは求人への応募に当てはまる。そして、詐欺対策でなにより重要なのは、「自分はだまされないという考えを捨てる」ことだ。 仕事の内容も、いきなり「強盗しろ」と指示されるのではなく、最初は簡単な下見や関係のない仕事をさせることもあって応募の時点で闇バイトを見抜くのは簡単ではない。 では一般的な求人とどこに違いがあるのかと言えば、その境目は、スマートフォンや身分証の提示、銀行口座の開示または新規開設を求めてくる点にある。まともな企業なら、求人段階でこれらを要求することはない。「すぐに支払いたいから」などと言われ安易に住所や口座情報を伝えてはならない。「こっちで振り込み用口座を作るから身分証や情報を渡してくれ」と言われたら完全にアウトと思っていいだろう。実行犯の個人情報を収集するのは、指示役が犯行や犯行後の脅迫に使えるからだ。 仮に応募してしまった、情報を伝えてしまったとしても、慌てないことだ。警察は闇バイトに関する注意喚起とともに、応募してしまった、犯人に個人情報を渡してしまったという場合でも、通報者とその家族を保護するとしている。犯罪を実行する前なら、危害が加わるのを防げる方法はあるということだ。