【40代から後悔しないために】考え過ぎて動けない…「分析麻痺」に陥らないための行動力をつけるコツ
何か新しいことを始めようとしても、いろんな情報を集めては、結局準備が整わずに何も始められない。ほしいものも結局手に入れられない。年齢を理由に躊躇してしまう…。人生経験を積んできた40代、50代にもなると、準備や下調べの大切さがよくわかっているので、このような状況に陥りがちです。今回は、こうした状況はなぜ起こるのか、またどうすれば行動が起こせるようになるのかについて、解説します。 〈写真〉【40代から後悔しないために】考え過ぎて動けない…「分析麻痺」に陥らないための行動力をつけるコツ ■準備しすぎて何も始められないのは「分析麻痺」に陥っているから 先日このようなご相談をいただきました。「何かを新しいこと始めようとしても、完璧に準備をしようとしてしまい、いつも行動に移せません。これはどうしたら直りますか」(40代・女性) 何か始めるとき、準備することはとても大切ですよね。例えば、私の最近の趣味はマラソンなのですが、9月始めにウルトラマラソンに出場しました。ウルトラマラソンとは、フルマラソンの距離である42.195kmよりも長い距離を走るマラソンのことです。私は、アフリカのケニアで開催された、230kmを5日間かけて走るレースに参加しました。 ウルトラマラソンでは、フルマラソンとは異なる準備が必要です。長距離を走るにあたってのトレーニングの計画を立てたり、レース中に持参する荷物を準備したり、自分の足にあったランニングシューズを選んだり…など、約1年かけてたくさんの準備をしました。おかげさまで体調を崩すこともなく、無事に230kmを完走することができました!仕事で新しいプロジェクトに取り組む時も同様です。事前にリサーチして、計画を立て、準備をすることが欠かせません。その入念な準備がプロジェクトの成功につながります。こうした事前リサーチ、計画、準備といった工程は、40代、50代の私たちにとって、経験を生かすとてもよいチャンスでもあります。 ただ一方で、準備をしすぎてなかなか始められないということはないでしょうか。身近な例では、海外旅行に行きたいと思いたち、完璧なスケジュールを立てようとあれこれ調べてるうちに、いつの間にか行くタイミングを逃してしまった。ヨガを始めてみたいと思っていろいろなスタジオを調べたり、ウェアを見たり、ヨガのインストラクターのSNSを見ていたら、結局時間ばかりたってヨガは始められていない…。これは「分析麻痺(まひ)」という状態です。情報が多すぎて、結局何も決められなくなってしまいます。完璧を期すために考えすぎているといってもよいかもしれません。 ■完璧な準備よりも大切なことは? ただ、何か始めるにあたって、完璧なタイミングなどないのです。仕事が暇になったら、子どもが大きくなったら…などとよく言いますよね。しかし、この言葉にずっと甘えてると、いつまでたってもやりたいことを始めることはできません。例えば、子育てが一段落してから始めようと思うと、次は親の介護が始まることもあるでしょう。40代、50代という、私たちの年代にはよくあることです。また、仕事上、責任ある立場にあるからプライベートの時間をこれ以上作れない、もう歳だからあと10年若かったら行動したんだけど…といったように躊躇してしまう理由もいろいろあります。これでは、本来やりたかったことができないまま時間だけが過ぎていってしまいます。だからこそ大切なのは、小さくてもいいから今、一歩踏み出すことです。今があなたにとって“一番若い”瞬間です。そして、今があなたにとって一番可能性に満ちているタイミングなのです。 ■準備以上に大切なのは、決めて実行に移す勇気をもつこと 行動すると決めたら、次は準備です。ただし、準備は行動を遅らせるためにするものではなく、行動を実現するためにするものです。再びマラソンを例にとって考えると、最初は完璧なトレーニングプランや完璧な装備などなくてもかまいません。まず最低限走り始める準備、例えば汗をかいてもよい服に着替えて、手持ちのスニーカーを履く。そして、走り始める。走ってみて、やはりランニングシューズがほしいと思えば準備すればよく、もっと軽いウェアのほうがよいと思ったらランニング用のウェアを入手すればよいのです。準備は必要ですが、それ以上に必要なのは決めること。そしてそのことを実行に移すちょっとの勇気を持つことです。人生に完璧なタイミングなどありません。今この瞬間が最高のスタートラインです。準備や状況、年齢にとらわれすぎることなく行動に移していく、そんな勇気を何歳になっても持っていきたいですね。 ライター/永田京子 NPO法人 ちぇぶら代表理事、更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ3万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。
永田京子