「なぜ今、それを言った?」ユニクロ柳井会長、「ウイグル綿花使ってない」発言の深刻度…中国での不買運動は、日本でSNS炎上が起こるのとは影響度が違う
筆者から見ても、BBCの放送は一定の意図をもって編集がなされているように感じた。公共放送であるBBCだからといって、中立的、客観的な報道をしてくれるとは限らない。さらに海外メディアは、国内メディアと比べてしがらみがないだけに、日本企業に対して細かい配慮などしてくれない。 もちろん、それがよい部分でもあるが、国際的なメディアであれば、良くも悪くも、世界的な影響力を及ぼす。 前述のことを考えると、ユニクロに対する不買運動が起きるのか、起きたとしてどのくらい深刻な影響をもたらすのかは、中国の消費者の意識だけでなく、中国政府がどのような意図を持って情報をコントロールするかにもよるだろう。
日本人の短期滞在ビザ免除の措置が再開されるなど、現在の日中関係は比較的良好だ。中国政府が反日感情をあおるような行動を起こすことは考えにくいのだが、注意はしておくに越したことはない。 一方で、日本のSNSユーザーも、日本と中国では、消費者のおかれた環境が両国でまったく異なっていることを理解しておいたほうがよいだろう。中国で不買運動が起きたとしても、それは消費者自身の自発的な行動とは限らないのだ。
西山 守 : マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授