親族ら5人殺害 死刑判決の男の控訴審 医師の精神鑑定「妄想性障害ではなく統合失調症」 弁護側は死刑判決の破棄を求める
鹿児島放送
日置市で親族ら5人を殺害したなどとして4年前に鹿児島地方裁判所で死刑判決を言い渡された男の控訴審が30日から始まりました。 殺人と死体遺棄の罪に問われ、一審で死刑判決となったのは 岩倉知広被告(45)です。 岩倉被告は2018年、日置市の祖母の家で父親の正知さんと祖母・久子さんの首を絞めて殺害。 近くの空き地に遺体を埋めたうえ安否確認のために祖母の家を訪れた親族や知人ら3人も首を絞めて殺害したとされています。 一審で鹿児島地裁は岩倉被告の完全な責任能力を認め、死刑判決を言い渡しました。 福岡高裁宮崎支部で開かれた控訴審の初公判では岩倉被告の責任能力の程度を審理するため精神鑑定を行った医師の証人尋問が行われました。 医師は、「被告は1審で診断された妄想性障害ではなく、妄想のほかに幻聴や幻覚などが生じる統合失調症だった」などとする鑑定結果を述べ、精神障害が犯行に与えた影響は少なからずあったとしました。 弁護側は岩倉被告が犯行時心神耗弱の状態であり責任能力は限定されるとして1審の死刑判決の破棄を求める方針です。