通学向けに特化した専用設計 ヤマハ新型「PAS ULU」登場 バイクメーカーならではの設計が
「学生のための」価値を徹底調査
ヤマハ発動機株式会社は、中高生の通学用途にターゲットを絞った新型の電動アシスト自転車(e-BIKE)「PAS ULU(パス・ウル)」を発表しました。そこにはバイクメーカーならではのノウハウが盛り込まれており、2024年11月18日に都内で開催された報道関係者向けの発表会では、開発チームから20代の社員らによって詳細が説明されました。発売は2025年3月21日です。 【画像】ヤマハの新・通学モデル「PAS ULU」全色を画像で見る(13枚)
そもそもなぜ中高性(男女)の通学用途にターゲットを絞ったのか? まずは、そこに需要があるからです。2017年以降、10代の登録ユーザー数は平均115%で推移しており(ヤマハ調べ)、この先も伸長が見込まれています。 そして既存の「PAS」シリーズの中にも通学向けモデルはラインナップしていますが、同社独自の調査により、購入時に重視する項目では外観やスタイリング、カラーが60%以上を占め、それに加えて機能性も重視する声が多かったことから、通学に特化した、利便性と機能性を重視する潜在ニーズがあったことに着目します。 そこで、外観のニーズに応える「かわいい」や「おしゃれ」、「かっこいい」イメージの既存モデルとは別に、新たに「Robust Bro.」(頑丈な・たくましい・頼れる相棒)を開発コンセプトに、実際の通学シーンを徹底的に調査し、「学生のための」価値を盛り込んだ新型が設計・開発されたということです。
バイクづくりのキホンを踏襲、ヤマハこだわりの専用設計車
ひと目で頑丈そうな印象を受ける骨太フレームは、ハンドル下部に湾曲して接合され、ペダル側には大きなガセット(補強プレート)が見られます。その形状は低重心化に寄与し、またフロントフォークはストレートとすることで、よりタフなイメージを与えています。
部活など重く大きな荷物が多いことを想定し、大型で荷物が飛び出しにくい形状のフロントバスケットは耐荷重を既存モデルの3kgから5kgとし、幅広のリアキャリア共に専用設計です。それらを車体中心に寄せることで重量物が中心に集められ(マスの集中化)、操作性と安定性を向上させています。ちなみに、リアリフレクターはぶつけて破損しやすい泥除けの後端ではなく、リアキャリアの下、持ち手の邪魔にならないよう設置されています。 フロントブレーキにはスポーツ自転車に多く使われるVブレーキ、リアブレーキには放熱効果を狙った大型フィン付きローラーブレーキを採用し、長い下り坂での制動性の低下を軽減します。 26インチの前後タイヤには太めの1.95インチ幅を採用し(1.75幅が一般的)、リムの内側を黒とすることで力強い足まわりの印象となっています。 これら、マスの集中化や低重心化、足まわりの強化、操作性・耐久性の向上などは、まさにバイクの車体設計に共通する部分であり基本です。機能性を重視しながらタフなスタイリングを作り上げ、家電メーカーには無い、ヤマハ独自の車体と言えるでしょう。 モデル名の「ULU(ウル)」は、ハワイ語の「成長する」に由来しています。発表の場ではその命名について「頼もしい電動アシスト自転車を相棒に、学生さんには伸び伸びと成長して欲しい、学生生活を謳歌して欲しい」と言います。 なお、全4タイプが設定されたカラーリングはベーシックなものとし、「目立ちすぎるのは嫌」という学生からの声も受け、また性別にとらわれないよう考慮されています。 ヤマハの新型電動アシスト自転車「PAS ULU」の価格(消費税10%込み)は15万5000円です。
バイクのニュース編集部