生理のたび"メンタルが最悪"に。恋愛にも影響...。「PMDD」(月経前不快気分障害)に苦しんだ女性が、自身の体験談を明かす
20代で辛さはピークに
その上、私は睡眠パターンも悲惨で、食欲は常に変動。代謝もものすごく低かった。時には頭から爪先までむくんでしまったり、激しい腹痛と闘うあまり、ダンゴムシのように体を丸めたりすることもあった。そんな様子だから、もちろんデートの計画を立てたり恋人とのセックスを楽しむのには、全く理想的な状態とはいえなかった。また、私の症状は"見た目にはわからない症状"がほとんど。そのため、恋人たちは単に私が構ってほしくて、心配してもらいたいがためにちょっとオーバーに誇張してやっているのだろうと思っていたりもした。こういったすべての悩みが、月のうち唯一「状態の良い」2週間にも、私の心に重くのしかかった。ちゃんと診断を受け、この痛みは妥当だと誰かに認めてもらいたかった。 限界点に達したのは24歳の時。車の中でチーズバーガーがバラバラになり、散らかってしまったその光景が、私には悲しくてどうしようもなかったのだ。帰宅して、居間で壁を見つめて座り、体を前後に揺らして子どものように泣きじゃくった。誰にもどうすることもできなかった。それからというもの、今までなかった思考を持つようにもなった。運転中に、高速道路で車のドアを開け放ったり、衝突したりすることを空想して、精神的及び肉体的苦痛を取り除こうとすることもあった。自分は「正常だ」と感じようとして、無鉄砲なことをしたり、週末に大酒を飲んだりするようになったのだ。もちろん、友人や家族はとても心配した。 医師に私の経験を話すたびに、彼らは抗うつ剤(それは解決策にならないと私は主張するのに)や、別のタイプのピルを処方したり、服用中のピルの容量を検討したりした。そういうこと全てに、私は「自分が無視されている」と感じる気分になった。月経前不快気分障害(PMDD)の可能性を示唆する人は誰もいなかった。 30歳になり、20代の頃よりは精神的に少しマシな状態になると、私はTVのリアリティ番組『Married At First Sight UK(MAFS)』(専門家が縁組したカップルが交際ゼロ日で結婚し、挙式で初めて出会うという番組)に応募した。PMDDが過去の交際の大きな障害になっていただけに、私は当初、大いに疑問を抱いていた。だが頭の片隅では、他の人と同じように私だって愛を見つけるチャンスがあっていいはず!とも思っていた。この障害は、難しい事に縛られず、ただ楽しくイチャイチャできる10代や20代を含め、既に私から多くのことを奪ったのだから。私は思い切って出演を決心した。 すると、その時の決意が、結果として現在の夫キーラン・チャップマンとの出会いに繋がり、大正解の運命を呼び起こした! 『MAFS UK』に出演することが決まった私は、治療計画と共に正式にPMDDの診断を受けた。撮影が行われたのは2024年1月~3月の3か月間。つまり、私にはその間、月経が3回あったということ。PMDDは私のストーリー展開の大部分を占めたが、放送された部分はこの障害を抱えながら生きることの苦悩、そして恋愛関係を築くとはどういうことかの断片に過ぎない。 キーランと私はハネムーンで初めてPMDDの話をしたが、彼はとても協力的だった。ゆえに、私も安心して彼に事前に自分の症状について話をすることができた。だが、私に激しいPMDDの症状が出ているのをキーランが初めて見たのは、私の予想より3日早く症状が出た時で、控えめに言っても結婚をメチャクチャに破壊させることが出来るほど最悪の状況だった。私があまりに疲労しているので、撮影は一時中断せざるを得なかった。キーランは私をなんとか笑わせ、気持ちを上げさせようとしてくれたが、それすらもその時の私にとっては辛かった。 その後も、互いに「結婚生活を続けられるのか」と疑問を持つことは何度もあったし、キーランは、PMDDがどれほど大きな影響を与えるものか「軽く考えていた」と認めた。私は症状を何度も説明しなければならないことに苛立つようになり、キーランは私のために事態を改善しようとするも、彼が魔法のような解決策ですべての痛みを取り除いてくれるわけではなかった。 キーランは本当に我慢強く、非常に思いやりのある人だったが、それでもパートナーが自分にとって最高の正しい対処をしてくれるわけではない。それは、この病気の知名度がそこまで高くないゆえに、あまり語られていない障害なことも関係しているし、相手にそれを期待するのは私としても全くお勧めしない。 ヴィッキー・パティソン(彼女がPMDDの症状をシェアしてくれたおかげで、私は自分も「ひょっとしてそうかも」と気づけた)のようにPMDDの認知度を高める活動をしている素晴らしい人たちがいるが、情報はいまだ限られている。