苦しんだ「広陵のボンズ」 九州国際大付・香西に1安打 センバツ
第94回選抜高校野球大会は第6日の24日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦が行われ、昨秋の明治神宮大会準優勝の広陵（広島）は昨秋の九州大会王者の九州国際大付（福岡）に1―4で敗れた。今大会注目の「2年生四天王」の一角で、「広陵のボンズ」の異名を持つ4番・真鍋慧（けいた）一塁手（2年）は1安打を放つも、九州国際大付の左腕・香西一希を打ちあぐねた。 【熱戦を写真で】九州国際大付vs広陵 開き直りの打席だった。3点を追う八回2死一塁。カウント1―1から九州国際大付の左腕・香西のスライダーを引きつけて捉えると打球はあっという間に左中間へ。外野が深く守っていたため単打となったが、大会屈指の左打ちのスラッガーらしい非凡な当たりだった。 それ以前の打席の狙い球は「緩い変化球」。変化球待ちでも、120キロ台の直球ならば対応できると考えていたが「直球が思っていたより伸びてきた」。実際、一回は103キロのスライダーに見逃し三振。四回は四球を選んだが、第3打席は121キロの直球に詰まらされて二ゴロに倒れた。そこで八回は思い切って狙い球を絞るのをやめたことが奏功した。 189センチ、91キロの堂々とした体格。プロの強打者顔負けのスイングスピードを誇り、米大リーグで歴代最多の通算762本塁打を放った左の強打者バリー・ボンズさんにちなみ、「広陵のボンズ」の異名を持つ。今大会は「2年生四天王」の一角として注目され、1回戦の敦賀気比（福井）戦では3安打を放ち、期待にたがわぬ活躍を見せた。だが、この日は3打数1安打でチームも敗退。中井監督も「みんなが打てない時に打てなければ、『広陵の4番』にはなれない。もっともっと努力する必要がある」。 同じく「2年生四天王」で九州国際大付の4番・佐倉について「体が大きく、対応力が高かった」と完敗を認めつつ、「自分も対応力をつけてチームに貢献できる打者になりたい」。この悔しさは必ず糧とする。真の「広陵の4番」になるための道は始まったばかりだ。【大東祐紀】
