50代に多い足の違和感「歩くと痛くなる」3つの症状
50歳前後になると続出する「足」と「脚」のトラブル。アラフィーに多い3つの症状をピックアップ。一生自分の“アシ”で歩くために、チェックしてみて! 50代から増える健康のお悩み
親指が外に曲がり、つけ根が突出【外反母趾(がいはんぼし)】
■こんな症状 外反母趾とは足の親指が人さし指側に“くの字”のように曲がってしまう状態のこと。「親指の第1基節骨と第1中足骨で形成される“外反母趾角”が20度以上あると外反母趾とみなします。最初は変形した関節自体が痛み、進行すると出っぱった部分が靴に当たって痛みが出ます」(菊池先生・以下同)。 外反母趾角が20~30度なら軽度、30~40度は中等度、40度以上は重度。歩行時に親指が使われにくくなり、機能が落ちやすい。 ■原因 先の細い靴など幅の狭い靴を履くことで、親指のつけ根から先が圧迫されて変形することが大きな原因。また、足のアーチがくずれて扁平足になると横幅が広がるため、靴で圧迫されて外反母趾になりやすい。遺伝することもあり、生まれつき扁平足ぎみの人はなりやすい傾向がある。 ■対策 「関節が痛む場合、整形外科で足のアーチを整えるインソールを作るのがおすすめ。足への負担が減り、痛みが緩和されます。痛みがひどい場合は鎮痛剤を処方することも。そのほか、親指から小指のつけ根に包帯を巻いて変形を抑えたり、痛みが改善しない場合は手術をすることも。左のような足指のストレッチは進行を防げるので習慣に」
股関節の軟骨がすり減り、痛みが発生【変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)】
■こんな症状 変形性股関節症の主な症状は関節の痛みと機能障害。「最初は立ち上がりや歩きはじめに脚のつけ根に痛みを感じますが、進行すると痛みが強くなり、常に痛むようになったり、夜寝ている間にも痛むようになります。長時間立ったり歩いたりすることがつらくなることも」。
正常な股関節
変形性股関節症の股関節 正常な股関節は軟骨によってすき間が保たれているが、軟骨がすり減ると、骨が壊れたり、棘のように増殖する(骨棘)ため動きが制限されたり、痛みが生じる。
■原因 股関節の形成不全など、子供のころの病気や発育障害の後遺症が主な原因で、股関節症全体の80%といわれている。また、加齢によって軟骨がすり減り、股関節のスムーズな動作が障害を受けて変形性股関節症になることも。 ■対策 「痛みを緩和するために消炎鎮痛剤を用いたり、運動療法を中心とした保存療法を行う。筋肉バランスや姿勢の改善、適正な体重の維持など生活指導を行うこともあります。体のバランスを整えて股関節への負担を減らすためインソールを作るのも効果的。病状が進行している場合は手術を行うことも」