医師「もう助からない」事故で全身の40%を火傷し、余命1日を宣告された青年 奇跡の生還と思いについて聞いた
生まれかわる決意
壮絶な事故に合い、命が助かったことが奇跡だと医師たちを驚かせた濱安さん。この経験を通して気持ちに大きな変化があったといいます。 「喧嘩ばかりして少年鑑別所に入った経験もある。事故に合いたくさんの方に助けていただいたことで、今までの生き方を悔いるきっかけになりました。自分の身体の細菌をすべて出すために600人分相当の輸血を受け、今の自分はたくさんの方の献血があってこそ生きているとわかり、感謝しかありません」と答えてくれました。 また、医師同士の会話のなかで「今夜、濱安くんは亡くなります」と言っているのを聞いてしまい「なぜもっと色々なことに挑戦してこなかったのだろう」と、世界中のたくさんの景色を見てこなかった自分を悔いたいのだそうです。 そのときの強い思いから「挑戦と感謝を忘れない人でありたい」と濱安さんは心に決めたといいます。
生きる大切さを伝える
濱安さんは現在『生きる大切さを伝える株式会社 伝生』の代表取締役として自分の経験から得た考えや学びを講師として伝えています。 NECネッツエスアイなどの上場企業をはじめ、うつ病サポートの会、各地の商工会議所などを対象に、ボランティアという形で講師を引き受け、話をしている濱安さん。 事故後、障がいが残った身体について周囲から辛い対応を受け、自身も命を絶とうかと考えたこともあったそうです。しかし、たくさんの方の力があって自分が生きているという大きな支えがあります。そんな濱安さんだからこそ、生きていることの素晴らしさを話すなかで、多くの方に生きる希望や勇気を与えているのでしょう。 また、自身が床ずれで苦しんだ経験から床ずれ防止プロジェクトを立ち上げ、寝たきりでも床ずれしにくいベッドやマットレスを導入する際、料金の負担を軽減できるよう、国や県に働きかけをしているそうです。 このように精力的に活動している濱安さん。自身の経験を1冊の本にまとめた自伝『余命1日の宣告~植物人間になって~』が書籍化されています。 「自ら命を絶とうと考えていたが、濱安さんの本を読んでもう少しがんばってみようと思えた」 そんな読者からの反応もあり、濱安さんのつらい過去と現在の前向きな生き方を発信することで、誰かが1歩踏み出す勇気として届いていることが1番の喜びだと話します。 「明日亡くなります」と医師から宣告されるほどの容態だった濱安さん。本人のSNSや取材からも周囲の方に活かしてもらっているという感謝の気持ち、そして自分自身のために挑戦し続けようという強い思いが伝わってきます。 「自分が経験した辛さや苦しみを、他の人が経験しなくて済むように。また、寝たきりの人を介助する病院関係者や家族の負担が減り、救いになれるようこれからも挑戦し、発信を続けたい」そう語ってくれました。
ほ・とせなNEWS編集部