自転車のケンケン乗り“絶滅危機”? 専門家「10数年~20年経つとなくなってしまうのでは」自転車の軽量化が背景に
(スタッフ)「いつからそのスタイルですか?」 (女性)「昔からですね、最初から。ケンケン乗りの方がスピードが出るから。初めの一歩がスピードが出てくるから」 (高田アナ)「さあ、それではこちらの方はどうでしょうか。おー!っと美しいケンケン乗り!まだ乗ってはいませんが、この“ケンケン”が美しい。そして、おーっと、止まって左右を確認する。力強いケンケン乗りを発揮しております!一番の特徴はこのスタートの加速力。このスピードはスタッフもカメラも追いつけません」 (スタッフ)「速い…すみません、すみません!」「他の乗り方っていうのは、あんまり考えられないですか?」 (女性)「あんまり考えられない。大体ケンケン乗り」 2時間調査した結果、ケンケン乗りをしたのは30人中13人!そのほとんどが50代以上の女性でした。そこで、自転車に関する歴史的資料などを多く所蔵する「自転車文化センター」で理由を聞いてみると… ■ママチャリ第1号は…今の自転車よりも4~7キロ重かった (自動車文化センター 谷田貝一男さん) 「ちょうど1956年ごろから、女性用の自転車が急速に発売が始まった。ところが当時の自転車というのは、今の自転車と違って、重さが4~7キロくらい重かった」 ケンケン乗りが生まれるきっかけとなったのは、高度成長期。1950年代後半のママチャリの登場。 自家用車が普及し、自転車の売り上げが低迷していた自転車メーカーでは、新たに女性の顧客層を獲得しようと、前カゴ付きでサドルの位置が低く、女性でも乗りやすい、ママチャリの第1号「スマートレディ」を発売しました。 「スマートレディ」は、当時の主婦の必須アイテムとして、花嫁道具に使われるほどの大ヒット商品となりましたが、自転車のフレームは鉄製で、重さは約25キロ。 そのため、力の弱い小柄な女性が乗る際には、加速が必要で、片足で助走をつけて発進するケンケン乗りがあみだされたのです。 ■自転車教室で推奨された“ケンケン乗り” (自動車文化センター 谷田貝さん) 「足で蹴りながら、スピードをつけた上で乗った方が、乗りやすいですよね、という指導がなされていた」 主婦を対象に開かれていた自転車教室でも、この乗り方は推奨され、ケンケン乗りは、当時の女性たちを中心に広く浸透していったそうです。