メキシコの格付け見通し引き下げ、憲法改正の影響懸念-ムーディーズ
(ブルームバーグ): ムーディーズ・レーティングスは、メキシコの信用格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」とし、これまでの「安定的」から引き下げた。9月に可決された司法制度改革法案による憲法改正が同国経済を圧迫するリスクがあると説明している。
14日の発表資料によれば、メキシコの格付けはジャンク級(投機的格付け)を2段階上回る「Baa2」に据え置かれた。2024年の債務負担能力の悪化および財政赤字の拡大を背景に、財政再建は厳しい状況にあるという。
ムーディーズは資料の中で、「憲法改正によってメキシコの司法制度におけるチェックアンドバランス(抑制と均衡)機能が損なわれるリスクがあり、経済および財政の健全性に影響が及ぶ可能性がある」と指摘した。
6月の議会選挙で与党連合が圧勝し司法を含む憲法改正に必要な議席を確保して以降、メキシコは投資先として投資家に敬遠されている。9月には司法制度改革法案が上下両院を通過し、最高裁判所を含む判事の選出方法が変更される。
メキシコの格付けはフィッチ・レーティングスが投資適格級で最低ランクとなる「BBBー」を付与。S&Pグローバル・レーティングによる格付けは同水準を1段階上回る。両社とも見通しは「安定的」としている。
発表を受け、メキシコ・ペソは0.3%下落。バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)のストラテジストらはリポートで、ムーディーズの動きはペソ安の継続につながる公算が大きいと分析した。
原題:Moody’s Cuts Mexico Credit Outlook on Constitutional Changes (2)(抜粋)
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Maria Elena Vizcaino, Vinicius Andrade