「ブラジルのトランプ派」大暴れ、大統領選の不正主張し首都占拠 米議会の襲撃ほうふつ、クーデターの狙いも?…記者が見た「分断」の現場
教皇庁立サンパウロ・カトリック大のロゼマリ・セグラド教授は、世界各地で陰謀論やフェイクニュース、政治の過激化が広がる中で、類似の事件は他の国でも起こる可能性があると指摘する。 セグラド氏は、ボルソナロ氏の支援者はソーシャルメディアなどで拡散する偽情報に「毒され続けてきた」と表現。関係者の処罰とともに、事件の根本にある社会の分断を緩和するため、偽情報を抑えることが「非常に重要だ」と話した。 事件直後に調査会社ダタフォリャが実施した世論調査では、ブラジル国民の93%が襲撃を非難した。だがその後も「襲撃はルラ氏支持者の陰謀」「破壊行為を行ったのはボルソナロ派に紛れていたルラ派」などの情報が交流サイト(SNS)などで流布している。 ボルソナロ氏は襲撃事件のほかにも、在任時にサウジアラビア政府から贈られた高額な宝飾品を違法に私物化した疑いや、新型コロナウイルスのワクチン接種記録を接種済みのように偽造した疑いで捜査を受ける。今後の政治生命には黄信号が灯ったとの見方もあるが、支持は根強い。ブラジルの分断は続きそうだ。