はじめての校外学習|アウトドアタウンときがわで里山遊び#13
はじめての校外学習|アウトドアタウンときがわで里山遊び#13
「アウトドアといえば、ときがわを思い浮かべるような”アウトドアタウン”にしたい! 」。そんな思いを抱き、地元の人を巻き込みながら日々さまざまな活動を行なう、野あそび夫婦のアオさんこと青木達也さんが、ときがわの自然の楽しみ方や、そこで暮らす魅力的な人たちなどを紹介します。
はじめての校外学習
以前、地元の中学校の全校朝礼で自分たちの仕事について話す機会をいただいたことがあった。そんなご縁もあって先日キャンプ民泊NONIWAで校外学習の受け入れをすることになった。 プログラムは4人~5人のチームに分かれて、テントの設営、火をおこし、野外調理に挑戦してくシンプルな内容だが、大人はできる限り口を出さず彼らの行動を見守ることに徹することにした。 自分の予想では、すぐに降参して大人たちを頼ってくるのかと思っていたが、思いのほか自分たちで考えながら協力しあうコニュニケーションがとれていて驚いた。むしろ目の前の問題に対して、チームみんなが前向きに取り組む姿勢を見て、自分の中学時代は果たしてどうだったか? と自問したくらいだ。 プログラム中、生徒たちがもっとも手こずっていたのが火おこしだ。適切な焚き付けの材料を選んだり、薪を組むことに慣れておらず、少しヒントを与えないと難しそうな場面もあった。これもある意味予想外で、ときがわ町のような自然が多く残る場所でも火という存在は疎遠になっているようだった。 じつは、中学校の朝礼で話したことをきっかけに、私たち夫婦のあいだでひとつの目標が生まれた。ときがわ町出身の人は、だれもが火をおこすことができて、外ですごす術を知っている。幼稚園から中学校までの教育にアウトドアとして関わることで、そんなことが実現できたら良いなと考え始めている。こういった教育は、防災という観点でも大事なことで、自分の身を自分で守ることができれば周りの人を助ける余裕も生まれる。 それとアウトドアの知識や経験を得るだけではなく、町の自然を活用したプログラムで、地元の魅力を再発見できる機会も大切だ。大人になった生徒たちが、ふとした瞬間にときがわ町出身ということが、ちょっぴり誇りに思える瞬間がくれば、きっとそれもアウトドアタウンのひとつの答えなような気もする。 ■Profile|青木達也(アオ)。 レンタル・レクチャー付きでキャンプ体験ができる施設「キャンプ民泊NONIWA」と、暮らしとアウトドアをテーマにしたお店「GRID」を埼玉県ときがわ町で運営。「野あそび夫婦」という夫婦ユニットでキャンプインストラクターとしても活動。監修「ソロキャンプ大事典」。
ランドネ編集部