認証ショットから始めよう! ネット選挙運動の新しい形
参議院選挙は後半戦に入りました。ネット選挙運動が解禁されてから初めて経験する国政選挙です。いざ選挙がスタートしても若者の動きは鈍く、積極的に発言する人も少なく、総理官邸を包囲した反原発デモのような大きなアクションも起きていません。では、ネット選挙運動をどう展開していけばいいのでしょうか?(李洪千・SFC慶應義塾大学李洪千専任講師) 韓国では投票に行ったことを示す 「認証ショット」が若者の投票ムーブメントを作りました。認証ショットは、2011年から韓国の若者の間に流行した政治参加のスタイルです。一票を投じた後、投票場の前で写真を撮り、皆さんから「認証してもらう」のです。 まずは「私は投票する! なぜなら~」という内容を書いて、それを写真に収めて、投票にいくということを認証してもらったらいかがでしょうか。ウェブやSNSで構いません。やり方を知りたい人はツイッターのKoreannews4にアクセスしてみると、いくつかの事例を見ることができます。 そして、投票場の前で撮った写真をツイッターやフェイスブック、ブログ、ラインなどに乗せて、親しい人や知らない人と共有します。写真は、一人でもいいし、友達や恋人と一緒に、家族で撮ることもできます。楽しい笑顔を写真に収めてみんなに共有してみてはいかがでしょうか。 ネット選挙運動は、パソコンの前で文字を打ち込むだけではありません。カメラをもって、スマートフォンを手に取り町に出ていくことから始まります。「認証ショット」から始めてみませんか? ただ写真を撮るだけなのに「政治が変わるの?」と疑う人がいるかも知れませんが、選挙を楽しむことは有権者にしかできない特典です。多くの有権者が選挙を楽しい祭典にして、そこから思い出を作り、認証ショットのような楽しさを発見していくことで、選挙参加は増えていきます。「認証ショット」は、政治に参加したシチズンの勲章で、ドンドン進化して様々なバリエーションを見せています。 それは、「あの人を支持する」「あの政策に反対だ」「○○○を実現してほしい」「これをやってほしい」というような生の声を出していくことです。 1億以上の有権者が選挙時に声を出すことほど政治家が恐れるものはありません。それが法的に許されているものだから、なおさら政治家は心配になるはずですが、有権者が口を閉ざして黙っている限り、政治家は枕を高くしてぐっすり眠ることでしょう。 李洪千(リホンチョン) 1968年生まれ、韓国馬山市出身。漢陽大学数学科卒。1998年韓国記者協会編集局次長、2008年慶應義塾大学G-COE常任研究員等を経て、2011年より現職。 共著に『インターネットが変える選挙―米韓比較と日本の展望』(慶應義塾大学出版会)。近著『ネット選挙完全解禁! 韓国大統領選挙の真実』はKindleストアなどで取り扱いがある。