7番アイアンのロフトって結局何度がいいの? 目安はダウンブロー&ハンドファーストで打てるか打てないか…って本当!?
アイアンの“ストロングロフト化”が進んだ現在は、単純に7番アイアンといってもさまざまなロフトの製品が存在しています。かなり立っている25度前後のモデルがある一方で、逆に寝ているモデルは35度付近と、同じ7番アイアンでも10度近くロフトが違います。 【写真】安くても飛びついちゃダメ! これがフジクラが公表したベンタスシリーズ模造品の特徴です 一般的なアイアンの番手ごとの間隔は4度程度なので、単純計算でも2番手以上違うことになります。ここまでロフトの差が出てしまうと、自分にとって何度のモデルが合っているのか分からない人も多いと思います。今回はロフトによる違いとストロングロフトが合う人、合わない人の線引きをお伝えしようと思います。
ストロングロフトのメリットは「とにかく簡単に飛ぶ」
そもそもストロングロフトのメリットは「とにかく簡単に飛ぶ」ということに尽きます。人によっては5番アイアンのロフトに「7」という数字を書いただけと思っている人もいるかもしれませんが、もちろんそんな簡単な話ではありません。基本的にロフトが立つと打ち出しの高さが低くなります。ストロングロフトアイアンはそのデメリットを解消するために、ほとんどのモデルが低重心化されています。同時に重心が深くなっているモデルが多く、ミスヒットにも強くなります。つまり5番アイアンのロフトながら、7番アイアンの打ち出しの高さを維持している、さらには少々の打点のブレも許してくれる寛容性を併せ持った、まさに優しく飛ばせるアイアンというわけです。 こういった説明をすると全てのゴルファーがストロングロフトの恩恵を受けられそうですが、もちろんそんなことはありません。例えば男子プロのセッティングを見てみると、寝ているモデルのアイアンを使用している人がほとんどです。では、なぜ彼らはストロングロフトを使用しないのか、これは簡単な話で彼らにとっては寝ているロフトのアイアンのほうが扱いやすいからです。 そもそもアイアンの飛距離に一番影響を与えるのが「インパクトロフト」です。もちろんある一定のヘッドスピードがある(ドライバーのヘッドスピードが40m/s以上)という前提の話にはなりますが、インパクト時にロフトが立てば当たり前ながらボールは飛びます。 例えば男子プロは7番のロフトが35度前後のアイアンでもインパクト時は25~27度と立って入ってきます。つまり7番アイアンを、実質5番アイアンのロフトで打っているということです。彼らはしっかりとしたダウンブローに加え、ハンドファーストでインパクトすることから元々のロフトより2番手ほど立った状態でボールにコンタクトします。しかも寝ているロフトのアイアンの大半は重心が高いモデルですから、低重心のアイアンに比べスピン量が増します。男子ツアーの硬いグリーンにボールを止めるためにはスピン量は必須です。要するに彼らはインパクトでロフトを立てることができるため、5番アイアンの飛距離で7番アイアンのスピン量を確保できる「寝ているロフト」を好んで使うのです。