【GLADIATOR】場内がざわついた…体重超過のハングクが秘技ヴェポライザーを極めて田中がタップ、暫定王座戦は「ノーコンテスト」に
2024年3月3日(日)大阪府豊中市176BOXにて『GLADIATOR 025』(ザ・ワンTV配信)が開催された。 【写真】左足を自身の両足でフックしてから前転して足を折り曲げ、ヒザを極めた ▼GLADIATORライト級暫定王座決定戦 5分3R ─田中 有(総合格闘技道場Reliable) [1R 1分46秒 ノーコンテスト] ─ジョン・ハングク(チームMAD Ulsan/Gentleman Flower Fighting Championshipライト級王者・Zeus FCライト級王者)※体重超過 ※ハングクがヴェポライザーでタップ奪うも体重超過の規定によりノーコンテスト 田中は、2023年12月の『GLADIATOR 024』での「挑戦者決定戦」でグスタボ・ウーリッツァーを判定3-0で下し、ライト級王者・佐々木信治に挑むことが決まっていた。 しかしGLADIATORでは、チャンピオンの佐々木が海外MMA大会の試合機会を模索するチャレンジャー魂を尊重し、今大会での王座防衛戦は見送り、田中とハングクの両者が「暫定王座」を賭けて戦う一戦を組むことにしたという。 ジョン・ハングクは、韓国の「名勝負製造機」ともいうべきアグレッシブなファイターで、その正々堂々とした戦い振りから“キャプテン・コリア”の異名を持つ。10勝9敗2分という戦績こそ、彼の激しいMMAファイター人生を象徴している。 現在『Gentleman Flower FC』と『ZEUS FC』ライト級の二冠を保持していることもあり、田中と暫定王座を争うに相応しいファイターといえる。 ハングクは、2022年1月の『GFC7』メインイベントで、DEEPで青井人と対戦したシン・スンミンに判定2-0で勝利し、GFCライト級のベルトを戴冠。 しかし、現在は強豪相手に2連敗中で、2022年11月の『ROAD TO ONE』で、かつて佐々木信治に敗れているアマチュシン・フーヘンフウに敗れてONE参戦ならず。2023年8月の前戦では『WLF-W.A.R.S.67:Day 2』で『ROAD TO UFC』でイ・ジョンヨンに敗れた中国のシェ・ビンに判定負けで2連敗を喫した。 佐々木との対戦が決まっていた田中としては、佐々木が勝ったフーヘンフウに敗れているハングクを相手に、そして「世界」と戦うためにも負けられない1戦となる。 田中有は、「佐々木さんとのタイトル戦だと思っていましたが、誰が相手でも倒すだけなので、何も問題ないです! GLADIATORを背負い、LFAや世界の舞台に自分も挑戦したいです! まずは今回しっかり勝てるよう準備しています。皆さん、楽しみにしていてください」と意気込みを語っている。 暫定王座は正規王者挑戦へのチケットを賭けるという意味合いがあるが、既に挑戦権を持つ田中の今後を睨んだ国際戦に挑む意思の強さと、真っ向勝負で3本目のベルトを狙うジョン・ハングクが激突することで、2024年のGLADIATORナンバーシリーズの開幕に相応しい激闘となることが必至の「暫定王座」戦だ。 しかし、前日計量で、ジョン・ハングクが、本計量71.1キロと800グラムオーバー。再計量でも70.9キロと600グラムオーバーとなり、まさかの体重超過。「同暫定王座決定戦」は、体重超過のジョン・ハングクがイエローカード2枚でスタートとなった。 またハングクは、ファイトマネーの50%を田中有に支払い、田中有が勝った時のみ暫定チャンピオンとし、ジョン・ハングク勝利の場合はノーコンテストとなる変則王座戦となった。 1R、ともにオーソドックス構え。詰めるハングクに低いシングルレッグに入る田中。切るハングクに田中はあっさりと下を選択して草刈り、足関節狙い。 足を抜くハングクはパウンドで飛び込み、ハーフからパスガード、サイドに出ると左脇を差して押さえ込み、ブリッジして亀になる田中の左足に外掛けからトライアングルに両足を組んで前転。 足首を組んでいた田中の両足を解いたハングクがヒザに圧力をかけるヴェポライザーを極めた。 MMAでは極まり手となることが少ないヴェポライザーでのサブミッション決着に場内がざわつくなか、田中はヒザを傷めてアイシングして退場。 序盤、早々に引き込んだ田中の精彩を欠く動きは何らかのアクシデントがあったか。