雨の中、傘を差しながらバーベキューを楽しむ人たち＝15日、台北市

　17日は旧暦の8月15日、名月をめでる「中秋節」だった。台湾では三大節句の一つで会社や学校はお休み。家族や友人と集まって祝う大切な日だ。台湾でも中秋節に月餅を食べる習慣はあるが、祝日前後にはあちこちで炭火こんろが登場し、もくもくとバーベキュー（BBQ）が始まる。雨の中でもテントを設置し、だんらんを楽しむ家族連れの姿もあった。 【写真9枚】秋の夜空で輝く中秋の名月 　一説によると、1980年代にあった焼き肉のたれのCMが広まるきっかけだったようだ。日本でバレンタインにチョコレートを贈る習慣が広告から始まったという経緯に似ている。 　町内会が主催する大規模なBBQイベントもあった。道路を封鎖してステージが設置され、カラオケあり、福引ありで大いに盛り上がる。ふと、お盆の時期に祖父母宅に行き、近所の祭りで福引するのが楽しみだった昔を思い出した。環境意識の高まりや新型コロナ禍で実施する人が減ってきたというが、そう思えないほど各所で盛んだ。 　始まりはCMだったとしても、だんらんでBBQに勝るものは少ないだろう。花より団子ならぬ、月よりBBQの人がほとんどなのかもしれない。