ヤマトHD、再エネ電力など提供の新会社設立--発電大手のJERAグループと協業
ヤマトホールディングス(ヤマトHD)は1月8日、物流の脱炭素化に向けて、再生可能エネルギー由来電力(再エネ電力)などを提供する新会社「ヤマトエナジーマネジメント株式会社」(ヤマトエナジー)を同7日に設立したと発表した。ヤマトエナジーは、国内発電大手のJERAグループと協業し、2025年度中に電力事業を開始する。 ヤマトグループは、2050年温室効果ガス(GHG)自社排出量実質ゼロと2030年GHG自社排出量48%削減(2020年度比)の達成に向け、電気自動車(EV)や太陽光発電設備の導入、再エネ電力使用率の向上などを推進するとともに、物流拠点に特化したヤマト運輸独自のエネルギーマネジメントシステム(EMS)を開発・導入し、同社事業に最適な電力需給管理を進めているという。2024年10月1日には、ヤマトグループが培ってきたEV導入などの経験を生かし、車両を使用する事業者の脱炭素化を支援する「EVライフサイクルサービス」を開始した。 EVの導入は、車両を使用する事業者がGHG排出量削減を推進する上で重要な取り組みの一つであり、今後EVに使用する電力の需要増加が見込まれる。ヤマトエナジーは、ヤマト運輸をはじめとする車両を使用する事業者に対し、ヤマトグループの拠点や地域の発電事業者が発電した再エネ電力などを提供する。これにより、地域社会と共に歩みながら物流の脱炭素化を推進し、企業と社会が共に発展する未来をつくるとしている。 ヤマトエナジーは、ヤマトHDの100%子会社で、資本金は1億円。代表取締役社長には森下さえ子氏が就任し、本社は東京都中央区銀座に構える。同社の事業内容には、再エネ電力などの調達・供給、太陽光発電設備への投資・管理、EMSを通じた、電力の監視・制御がある。 ヤマト運輸とJERAは、「グリーン物流実現に向けた再生可能エネルギー電力等の設備連携および最適活用に関する基本合意書」を2024年10月31日に締結している。 JERAグループとの協業における同グループの役割として、30分間に調達する電力量と供給する電力量を一致させる「計画値同時同量制度」に基づく電力需給運用の全面的なサポート、両グループにおける再エネ電力の相互融通がある。