2015年日本政治の注目ポイントは? 早稲田塾講師・坂東太郎のよくわかる時事用語
「統一地方選」「原発再稼働」
4月に入ると統一地方選挙という政治決戦が待っています。4月上旬に一部の道府県知事と政令指定都市長および大部分の道府県議と政令指定都市議が、後半に一部の市町村と東京23特別区長および一部の市町村議と東京23特別区議の選挙が行われます。 「一部の」を乱発して用いたのは「地方選挙は注目されにくいから」と1947年に初めて行われた都道府県知事、市区町村長、都道府県議会議員、市区町村議会議員は統一率が100%(祖国復帰前の沖縄県を除く)であったのが、首長(都道府県知事や市区町村長)が何らかの理由で辞任したり欠けたりして、また市区町村議会議員は任期途中の解散や合併による出直し選挙などで時期がずれていき、今や「統一」に値するのは道府県議選挙ぐらいだからです。 この選挙は主に近づく衆議院議員総選挙や参議院選挙の前哨戦と受けとめられがちでした。しかし安倍政権はその前に解散総選挙をやってのけ、参議院選挙は2016年と1年以上先。それでも今後を占う要素にはなりそうです。 15年統一選で注目すべきは民主が勝ち抜いてきた札幌市長と岩手県知事および岡田克也元副総理のお膝元で11年選挙で自民党に奪還された三重県知事の各選挙。札幌は現職が不出馬で民主が候補者を立てられるか、岩手は現職が民主色を抑えようとしているなか、どのような態度を取るのか、三重も勝てる候補を出せるのか。この3つで民主が敗北ないしは不戦敗あるいは事実上の自公相乗りとなれば党内に1月に選ばれる新執行部への疑念が生じるかもしれません。道府県議選挙も「惨敗」となれば波風の1つも立つでしょう。 民主以外の野党を展望すると11年選挙で躍進した地域政党「大阪維新の会」が大阪府議と大阪市議で「減税日本」が愛知県議と名古屋市議の各選挙で存在感をアピールできるか。特に大阪は橋下徹大阪市長が旗を振る「大阪都構想」実現への信任投票との色合いもあります。 参議院選挙、衆議院議員総選挙で躍進を続ける日本共産党がどれだけ伸びるかも注目です。野党のなかでは地方での足腰が比較的たくましい政党だけに引き続き風に乗れるかどうか。