2025年の米国株式市場に潜む3つのリスク…ドイツ銀行のストラテジストが指摘(海外)
ドイツ銀行によると、アメリカの株式には3つの主な障害がある。 同行は、急上昇を続けるアメリカの株式市場に対する3つの大きな経済的リスクを指摘している。 アメリカの株式市場は2024年これまで目覚ましい上昇を見せているが、ドイツ銀行(Deutsche Bank)によると、その上昇を妨げる可能性のある障害が存在するという。 同行は2024年11月26日、顧客向けのメモで、株式市場の勢いを阻む可能性のある3つの潜在的なリスクを指摘した。S&P500株価指数は2024年になってから26%上昇しており、ドナルド・トランプ(Donald Trump)の大統領就任が資産価格を押し上げるとの期待を受けて、2024年10月だけで3%の上昇を記録している。 「現在、市場は無敵に見えるかもしれないが、実際には2024年すでにいくつかの不安定な時期があったことを思い出す価値がある」と、ドイツ銀行でマクロ戦略を担当するヘンリー・アレン(Henry Allen)は話す。 「2024年、さまざまな予期しない出来事に市場がどのように反応してきたかを考えると、いずれかの要因が、新たに市場の下落圧力を引き起こす可能性があるのは明らかだ。特に問題がより持続的で長期的なものに発展した場合、それを生む可能性は高い」 「また、現在の評価額はここ数年と比べて高い。そのため、理論上はこれ以上の利益を得る可能性は限られていることを意味している」とアレンは付け加えた。 以下に紹介するのは、同行が投資家にリスクをもたらす可能性があると考える3つの要素だ。
1.経済の後退
ほとんどのエコノミストたちは、アメリカ経済はソフトランディング へ向かっていると考えている。ソフトランディングとは、インフレが沈静化し、深刻な景気後退を引き起こすことなく経済が安定するシナリオを指す。 しかしながら、経済が予想以上に悪化すれば、それは株式にとって重大なリスクとなるとアレンは言う。2024年の夏、雇用統計が予想よりも悪い結果だったことや、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げ策の後に経済が低迷すると懸念されて株価が急落したことを彼は指摘している。 「幸いなことに、2024年の夏はアメリカのデータの中でも最悪の部類に入るものだったが、その後、改善を始めた。しかし、景気後退を示すデータが出ていなかったにもかかわらず、大規模な売りが発生したという事実は、もしデータが景気後退を示し、実際に経済全体が収縮に向かうことになった場合、その影響はどれほど深刻なものになるのかという疑問がわく」と彼は付け加えた。 「結局のところ、景気後退はリスク資産にとって最も悪い事態の一つなのだ」 アレンは、ウォール街は来年のGDP成長率が2%を超えると予想しており、成長期待が「非常に高い」と述べた。そのため、GDPが市場の期待に達すること、あるいはそれを上回ることは難しくなるだろうとも彼は付け加えている。