阪神が本気で超変革?! 育成部門コーチを復活、福原、藤井が入閣へ
阪神が5年ぶりにファームの育成部門担当コーチを復活させる考えであることが明らかになった。その育成のポジションには、この日、涙の引退試合で見送られたばかりの福原忍(39)、1年前に引退し球団本部企画担当の立場で、独立リーグのルートインBCリーグの福井にコーチとして派遣されていた藤井彰人(40)が就く予定だ。福原は、現役時代から若手に慕われ、的確なアドバイスを送るなど、プロとしての姿勢やストレートにこだわる投手理論には定評があり、また藤井もBCリーグでは、バッテリー部門だけでなく幅広く指導者としての経験を積んできた。 阪神は、2003年に当時の星野仙一監督の要望もあって「3軍コーチ」を新設した。主にまだプロでプレーする基礎体力のないルーキーや、怪我持ちの選手、故障者などのリハビリを担当するコーチで当初は一人だった。その後、徐々にコーチを増員、2006年からは「育成コーチ」と名を変えて、水谷実雄・育成チーフ兼打撃担当、加藤安雄・育成コーチ、遠山奨志・育成コーチの3人体制で、それぞれ打撃部門、バッテリー部門、投手部門に分けて、2軍でレギュラーを張る前段階にある若手の育成、故障者のリハビリなどに力を注いできた。 しかし、2012年を最後に育成コーチ制度は廃止されて、居残り組などは担当コーチが交代で見るような形になっていた。今季は、金本監督、掛布2軍監督の就任と同時に1、2軍のコーチも大きく入れ替わってスタート。超変革をテーマに掲げて、1、2軍の選手の入れ替えが頻繁に行われたが、体力不足組や、リハビリ、遠征に帯同しない居残り組などを専門に見る育成コーチの必要性が再認識されたため、5年ぶりに育成コーチ部門が復活することになった。 本来ならば、ソフトバンクや巨人のように3軍制を敷くのがチームの抜本強化のためにはベストだが、巨大な資金を投入して環境面などを整備しなければならないなどの問題も多く、生え抜きの育成をテーマに掲げるチームビジョンに従い、まずは、育成コーチ部門を復活させ、そこに適材を配することで、チームのピラミッドの底辺を底上げしようという考え。長期的視野でチームの選手層を厚くして常勝軍団の礎としたいのだ。 阪神は、この日、かつてローテーションにも入っていた6年目の岩本輝投手(23)や、筒井和也投手(34)、ドラフト2位入団だった柴田講平外野手(30)ら9人に戦力外を通告した。福原、引退を表明した鶴岡一成捕手(39)らを含めると合計11人の日本人選手枠を空けたことになる。今秋のドラフトでは、場合によっては、ここ4年間使っていなかった育成ドラフトの枠も利用して新戦力を獲得する方向を固めており、今後は、さらに育成コーチの役割が大きくなる。福原、藤井は、共にコーチとしてはうってつけの人物で、彼ら自身にとっても、将来、1軍コーチとして手腕を発揮するための経験の場にもなる。 チームの抜本からの超変革にフロントも本気も本気。金本体制の初年度のチーム成績は、4位に終わったが再建に向けての超変革は、まだまだ続きそうだ。