70代の父、危篤…母&兄はずっと2人で相続相談、弟はひとり蚊帳の外「この状況、納得できません」「相続について教えてください」→税理士が助言
相続放棄
相続人は、資産だけでなく債務も引き継ぎますが、資産より債務が多い場合は相続放棄や限定承認を選択できます。相続放棄は家庭裁判所で手続きし、相続開始後3ヵ月以内に行う必要があります。
遺言と遺留分
遺言によって遺産を渡すことを「遺贈」といいます。遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。 遺留分は、法定相続人に保証された最低限の財産取り分で、仮に遺言で全財産を第三者へ譲渡することが指定されていたとしても、法定相続人は受遺者に対して侵害額を請求することができます。この侵害額の請求期限は、相続人が侵害を知った日から1年、または相続開始から10年以内です。 遺留分は配偶者、子、直系尊属に認められ、その割合は法定相続分の半分、または三分の一です。きょうだいには遺留分の権利はありません。
遺産分割
相続が発生すると、最初は被相続人の財産が相続人全体の共有となり、この財産を個々に分配するプロセスを遺産分割と言います。遺産の分割方法には、遺言による指定分割、相続人全員の合意に基づく協議分割、そして裁判所による審判分割があります。 指定分割は、遺言で指示された財産の分割方法です。協議分割では、全相続人の合意が必要で、この合意には法定相続分を必ずしも遵守する必要はありません。合意に至らない場合、家庭裁判所が分割方法を決定します。 遺産分割の手法には現物分割、換価分割、代償分割の三種類があります。現物分割は、相続財産をその物理的な形で相続人に配分する方法です。たとえば、一部の相続人が不動産を、他の人が現金を受け取る場合がこれにあたります。換価分割では、財産を売却して得られた金額を分配します。代償分割は、一人の相続人が大部分の財産を受け取り、その代わりに他の相続人に対して金銭を支払う方法です。
課税財産と非課税財産
相続税を納めるのは、相続や遺贈によって財産を取得した人です。これには法定相続人だけでなく、遺言によって財産を受け取った人、すなわち受遺者も含まれます。 対象となる財産は、本来の相続財産とみなし相続財産に分けられます。本来の相続財産にはプラスの財産(土地や株式など価値のあるもの)とマイナスの財産(借入金など)があります。みなし相続財産には、死亡保険金や退職金など、被相続人の死によって取得する財産があります。 相続人が取得する財産の中には、相続税が課されない非課税財産があります。 例えば、生命保険金や死亡退職金は、法定相続人の数に500万円を乗じた金額までが非課税です。 被相続人の残した債務は債務控除として、資産合計から差し引かれることになります。これには銀行の借入金や未払い税金などが含まれます。また、葬式費用も控除対象で、お通夜や告別式などの費用が含まれます。