想像以上の注目度…J1町田キーマンが告白 ロングスロー、筑波大戦、首位争い「ありがたい」「選手冥利に尽きる」【インタビュー】
前半戦ラストゲームの福岡戦は「大事な一戦」
戦力的にも、精神的にも大きなダメージを負っただけに、6月15日の第18節横浜F・マリノス戦で、2022年のJ1王者である相手に逆転勝利を飾ったことは価値があると言っていい。仙頭も「『怪我をしてしまった選手たちの思いも背負って』という話はミーティングでもありました。チームとして、仲間として、勝利で応えたいという思いが全員にあった。連敗できないのもそうだし、近年Jリーグを牽引している横浜F・マリノス相手にどこまでできるか、と。チームとして1つになった結果、先制されても逆転できたので、すごくいい試合だったと思います」と語る。 町田は、天皇杯の筑波大戦のほかにも、激しい球際やロングスローを駆使する戦術が議論のテーマに挙がることも多い。それだけ注目度が高いと言えるが、仙頭は「すごくありがたいこと」と冷静に受け止める。 「注目度の高さは実感しています。『首位のFC町田ゼルビア』という形で注目されて、いろんな人の支えがあってこの立ち位置にいれることに感謝しないといけない。注目されることのありがたみ、それに対して応援してくれている人に結果で返さないといけないプレッシャーを味わえているのは、本当にサッカー選手冥利に尽きます。想像以上の注目度と言えばそうですし、必然的にJ2からJ1初挑戦のチームが前半戦を首位で折り返すとなれば、Jリーグ史上でもないこと。そのチームの一員でいれることは幸せなことだし、その注目度をシーズン終了まで結果で示していきたい」 前半戦ラストゲームの相手は7位アビスパ福岡。この試合できっちり勝利すれば、首位ターンで後半戦に臨める。仙頭は「この試合で前半戦折り返しということで、しっかり首位で終えるために勝ち点3を取りたい。アビスパはハードワークしてくるチーム。その部分で負けるわけにはいかない。すごく大事な一戦です」と位置づけ、サポーターに呼びかける。 「ホーム、アウェーにかかわらず、たくさんのサポーターの方々に来ていただいて力になっています。よりサポーターが多いチーム相手でも大きな声で応援してくれて、鳥肌が立つ時もある。僕たちはそのサポーターの方々のパワーに応えていかないといけない。FC町田ゼルビアが選手、スタッフ、サポーターの方々、クラブとして一体になって戦えている実感があるので、シーズン終了までさらに一緒に戦ってほしい。J1初挑戦で初優勝はこれまでの歴史にはないし、今の状況でタイトルを狙わないわけがない。これからいろんな厳しい戦いが待っていると思いますけど、チーム一丸となってやっていければFC町田ゼルビアの良さは必ず出せるはずです」 J1を牽引する町田。その中心の1人に、いぶし銀の働きを見せる仙頭は間違いなくいる。 [プロフィール] 仙頭啓矢(せんとう・けいや)/1994年12月29日生まれ、大阪府出身。京都橘高―東洋大―京都―横浜FM―京都―鳥栖―名古屋―柏―町田。J1通算118試合・5得点。J2通算118試合22得点。前線と最終ラインをつなぐリンクマン。攻撃的なポジションだけでなく、今季は自身初となるシーズンを通してボランチとして過ごしており、中盤ならどこでもこなすユーティリティー性を備える。
FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda