福岡資麿厚労相「最低賃金引き上げを加速、生産性向上へ支援も」 年末に医師偏在対策 石破内閣-新閣僚に聞く
福岡資麿厚生労働相は20日、産経新聞などのインタビューに応じ、医療対策や年金問題について語った。主なやりとりは以下の通り。 【比べてみる】日本を含む5カ国 フルタイム労働者の賃金中央値に対する最低賃金の比率 --医師の偏在対策はどう進めるか 「これまでは若手医師を対象とした医師養成課程の対応が中心だったが、例えば中堅やシニア世代の医師も対象とし、医師不足の地域での勤務意欲を高める効率的な経済的インセンティブなど総合的な取組を推進することが大切だ。年末までに対策パッケージの策定に向けた検討を進めていく」 --医薬品の安定供給は 「後発品メーカーの少量多品目生産による非効率な製造といった構造的課題がある。5年程度の集中改革期間を設定し、金融面や財政措置などで企業間の連携、協力、再編を後押しする方策の検討を進めたい」 --年金制度の課題と今後の年金制度改革は 「7月に公表した公的年金の令和6年財政検証は女性や高齢者の労働参加の進展や好調な積立金の運用で、5年前の前回と比べて将来の給付水準の改善が確認された。一方で、基礎年金はマクロ経済スライドによる調整期間が長期化する課題がある。将来的な給付水準の確保は大きな課題だ」 --最低賃金を2020年代に全国平均1500円にする目標にどう取り組むか 「最低賃金の引き上げの加速に取り組みたい。近く取りまとめる政府の経済対策でも必要な施策を盛り込んだ上で引き続き関係閣僚とも連携し、価格転嫁対策の徹底や生産性向上支援に取り組みたい」 --高齢化が進む中、介護現場の人材確保は 「累次の処遇改善をはじめ、ICT(情報通信技術)や介護ロボットなどのテクノロジーを活用し、現場の負担軽減や職場環境の改善などの取り組みを総合的に実施している。賃金上昇率が他産業と比べて低いという指摘もあり、経済対策でも、さらなる賃上げに向けた支援策を盛り込んでいきたい」(聞き手 王美慧)