証券取引所ができて400年以上経つも、未だ予測可能な理論は生まれず…稀代の起業家「投資をするなら歴史が証明した<ふたつの真理>を知るべき」
◆400年の歴史が証明した投資の「ふたつの真理」 経済学者のジョン・ケネス・ガルブレイス(John Kenneth Galbraith)は、こう言った。 「世の中には2種類の人間がいる。『わからない人』と、『わからないということがわからない人』だ」 為替レートや株価の動向、原材料の価格など、経済全般を予測する人が、なぜ本を売り歩き、講演でお金を稼ぎ、ユーチューブで宣伝しながら、もっともらしい専門的解説と予測をしているのだろうか。 私たちは「わからない人」であり、彼らは「わからないということがわからない人」であるからに過ぎない。自分が賢いと信じている人は、経済を予測し、予測に沿って投資をする。その予測が当たる場合もあれば、当たらない場合もある。それが真理だ。 人類が証券取引所を作ってから400年以上が経つが、いまだに予測可能な理論は生まれていない。 投資の世界には不変の真理がある。経済予測は不可能であることと、確信には恐ろしい罰が待ち受けていること、のふたつだ。現代の経済構造のなかにあっても、この規則は変わらない。
◆わかっていると思い込んでいるときが危機 「般若心経」は、「人間は色(しき)・受(じゅ)・想(そう)・行(ぎょう)・識(しき)の五蘊(ごうん)から成り、その本質は空(くう)である」と説いている。 すなわち「人間は何も知らない」という意味だ。「何も知らない」ことを自覚してこそ、危機を脱することができる。 つまり、わからないときではなく、わかっていると思い込んでいるときが危機なのだ。 さらに、「わからないということがわからない人」は、予測が当たらなかったとき、自分が間違っていたのではなく運が悪かっただけと考える。 だが、わからないとき、わからないと思ったとき、人は慎重になり、警戒して万一に備えるものだ。わからないということがわかっていてこそ、私たちは個別の資産や企業について深く学び、情報を集めることができる。 さらに事実関係を確認して、人に見えないものを見いださねばならない。これをもとに市場の流れに逆らう勇気をもった人だけが、市場よりも成功できるのである。 ※本稿は、『お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
キム・スンホ,吉川南
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