証券取引所ができて400年以上経つも、未だ予測可能な理論は生まれず…稀代の起業家「投資をするなら歴史が証明した<ふたつの真理>を知るべき」
2月22日の日経平均株価はバブル期以来、実に約34年ぶりに過去最高値を更新しました。NISA制度の拡充もあり、この機会に投資を始めようと考えている方もいらっしゃることでしょう。そのようななか、韓国人として初めて、アメリカの外食産業で大成功した起業家、キム・スンホさんは、貧しい境遇から成り上がった秘訣を発信しています。キムさんいわく「専門家にも経済は予測できない。これまで誰もできなかったし、そしてこれからもできない」そうですが――。 【書影】1000万回以上視聴された 「伝説のお金の授業」を書籍化!キム・スンホ『お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』 * * * * * * * ◆経済専門家が本当はどれだけ景気を予測できるのか 専門家にも経済は予測できない。 これまで誰もできなかったし、これからもできないだろう。 もちろん特定の短期間なら予測は可能だ。しかし、マクロ経済(macroeconomics)において景気を正確に予測できる人はいない。凧を揚げて風向きを知ることはできるが、その風に飛ばされた風船がどこに行くのかわからないのと同じだ。 特に、学者や専門家の肩書のある人が数カ月後、数年後の景気を予測していても、彼らの話を事実として受け入れてはならない。 誰かの予測が一部当たることはあっても、それは占い師の言葉が誰かにとっては当たっていて、誰かにとっては外れているのと同じだ。以前に予測が当たったときの経歴だけが紹介され、外れたときの経歴は消されているので、専門家のように見えるだけだ。 もし景気パターンの原理を発見すれば、その人は1年も経たずに世界一の富豪になれるし、数年もあれば世界中の財産を手にできるだろう。
◆「私にはわかりません」 この分野にまだしも明るいのは経済学者や経済アナリストだろうが、彼らがほかの職業の人と比べてお金持ちだという証拠はどこにもない。 経済予測の特別な能力をもっていれば、経済番組に出演して景気予測をしたりはしないだろう。おそらく静かに関連商品を売って、大学やテレビ局を所有し、あらゆる事業の大株主になっているはずだ。 たまに正確な予測をして有名になる人もいるが、その人の予測が再び当たる確率はさほど高くはない。コインを投げてその裏表を当てた人が、続けて当てられるわけではないのと同じ理屈だ。 彼らの発言よりも恐ろしいのは、彼らの意見を信じて全財産をかけてしまう人たちだ。 誰も明日の株価がどうなるかはわからない。経営者である私も、自分の会社が来年どうなっているかわからない。専門家がその権威をもって金利や株価の変動について語っても、それはあくまでその人の意見であって、ほかの誰かの意見より重要なわけではない。 だから賢明な投資家や専門家は、「この株価は上がりますか」「債券市場はどうなりますか」「これから反発しますか、さらに下落しますか」などと聞かれたら、こう答えるものだ。 「私にはわかりません」 「わかりません」が正解なのは、未来とは過去のデータの枠内で作られるものではなく、新たに訪れた未来がこれまでのデータに合流するからだ。そのため規則性は存在せず、つねに予想外のことが起こるのだ。
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