絶体絶命のピンチを乗り越え「神様にありがとう」 32歳イ・ミニョンが同年代の“仲間”に捧げた2年ぶりV
「私が優勝したら周りの(同年代の)選手も喜ぶ」
◆国内女子プロゴルフ NOBUTA GROUPマスターズGCレディース 10月17~20日 マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) 6506ヤード・パー72 【動画】マジで鳥肌… 絶体絶命のピンチをチップインで沈めたイ・ミニョンの“ミラクル”パーセーブ これが実際の映像です
同年代の“仲間”に届けた勝利だ。 国内女子ツアー「マスターズGCレディース」最終日。首位タイから出たイ・ミニョンは「71」とスコアを1つ伸ばすにとどまったものの、通算14アンダーをマークして2年ぶりとなるツアー7勝目を飾った。
この日はスタートの1番で幸先よくバーディー。5番では5メートルのバーディーパットを沈めて序盤から順調にスコアを伸ばす。 しかし、続く6番で3パットを要してボギー。その後8番と11番でもボギーを叩いた。そこから立て直して14、15と連続バーディーを奪ってみせたが、16番で試練が訪れる。 パー4の2打目をグリーン左の斜面に落としてしまうと、続く3打目もグリーンに乗せられず、ボールは斜面を転がり落ちてほぼ元の位置に。 「優勝は終わった……」と当時の心境を明かしたが、4打目はグリーンエッジぎりぎりに落ちると、そこから吸い寄せられるようにカップイン。「神様にありがとうって感じでした」というように、まさに“神がかり”的なミラクルショットで、会場に駆けつけたギャラリーの視線をくぎ付けにした。 結果的にはこのパーセーブが勝負のポイントに。岩井明愛、畑岡奈紗の実力者2人を“1打差”で振り切って優勝を手にしたが、現在32歳のイ・ミニョンは、試合後の会見でこんな思いを口にした。 「私が優勝したら周りの(同年代の)選手も喜ぶかなと思って。それも意識しました」 レギュラーツアーは今季32戦目を迎えたが、30代以上の選手が優勝を飾ったのは今大会が初めて。 ここまで7勝を挙げている竹田麗央(21歳)をはじめ、前週Vの山下美夢有(23歳)ら20代前半の選手たちがツアーを引っ張る中、同年代の仲間たちの“光”となるためにも優勝が必要だったという。 そんな思いが見事に形となった今大会。今季はあと5試合を残すだけとなったが、ベテラン勢のここからの逆襲にも注目だ。
イ・ミニョン
1992年3月13日生まれ、韓国出身。2010年プロ入り。13年の「朝鮮日報ポスコチャンピオンシップ」で韓国ツアー初勝利。15年に腎臓がんが見つかり手術を受けるも、わずか1カ月半でツアーに復帰。17年から日本ツアーに参戦し、同年の「ヤマハレディースオープン葛城」で日本ツアー初勝利。24年「マスターズGCレディース」で同ツアー7勝目を飾った。Q CELLS所属。
ゴルフのニュース編集部