那覇の人気洋菓子店「アベニア」がまたまた復活!落語を楽しめる「寄席」として再出発 沖縄
那覇市三原にある人気の洋菓子店「アベニア」が、以前の店舗の隣にある古民家に移転し、落語や浪曲を披露する興業小屋「花園寄席」として再出発する。 【動画】「やめられない、止まらない」オジイのクンセイいか
23日にはこけら落としで、柳家緑太さんと柳亭市童さんの2人会を開く。洋菓子店としては12月にオープン予定。経営する知花園子さんは「地域に密着した場所にしたい」と話した。 アベニアは、1991年にケーキ屋としてオープン。2022年に閉店の危機にあったが、アベニアのファンだった知花さんが経営を引き継ぎ、元の店舗の向かいにオープンさせた。ジャーマンケーキ風のエンゼルやバナナケーキなどの焼き菓子を中心に販売していたが、建物の老朽化で23年5月に閉店していた。 そんな時、アベニアの隣にあるパーマ屋を1人で経営していた川野敏子さんが病気で店をたたみ施設に移ることに。“お隣さん”としてアベニアの常連でもあった川野さんは「アベニアがここに来てくれたらいい。思う存分使いなさい」と知花さんに店舗を貸した。 パーマ屋は築73年の古民家。改築は、設備業などに携わる川野さんの息子らが手がけた。台風などに悩まされながら約1年かけてリノベーションをした。川野さんは昨年8月に92歳で逝去し、新店舗の完成を見ることはかなわなかったが、知花さんは「本当に応援してくれた。この場所でできてよかった」と話す。
県内で落語イベンターとして長年活動している知花さんは自分の落語小屋を持つことが夢だった。新しい店舗は落語小屋として落語と浪曲を披露できる高座や45~50人の客席を収容できるスペースを備え、2階に楽屋を設置。「落語に集中できる環境ができた」と喜ぶ。 知花さんが長年築いた縁もあり、落語家からの評判は上々で、来年7月まで出演者が決まっている。こけら落とし公演に出演する柳家緑太さんと柳亭市童さんは、2人とも来年真打ちへの昇進が決まった実力派。知花さんは「マイクを使わなくても伝わる距離で落語を見られる。小さなハコの醍醐味(だいごみ)を味わってほしい」と笑顔を見せた。 店内には、イートインスペースや、漫画家のももココロさんから寄贈された新里堅進さん作の漫画を読むことができる。 (田吹遥子)
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