まさかの新エンジン[SKYACTIV-Z]発表!! 決算発表から分かったマツダのすげえ内燃機関魂とは?
11月7日に開かれたマツダの決算説明会。決算面の数字はさておき、驚いたのはマツダが新エンジンを発表したこと。なんとSKYACTIV-Zと呼ぶモーターに頼らない新型4気筒ガソリンエンジンを開発中なのだという。やっぱしマツダはこうでなくちゃ! 【画像ギャラリー】エンジンだって捨てたもんじゃねーだろ!マツダの心意気を見よ!(8枚) 文:ベストカーWeb編集部/写真:マツダ、ベストカーWeb編集部
■今から直4ガソリンエンジンを作るのけ!
決算説明では前半、財務実績の総括と見通しが語られたのだが、クルマ好きとして注目したいのは後半。ここでは「2030経営方針の進捗」と題して、マツダが取り組んでいる近未来の製品や技術が明らかになった。 なかでも注目なのが、突如明らかになった「SKYAKTIV-Z」という新エンジン。ハイブリッド用といったヤボなものじゃない。純内燃機関として新型車に積む直列4気筒ガソリンエンジンなのだ。日産のように内燃機関の開発を凍結するメーカーが多い中、この英断は勇気が出る! では「SKYAKTIV-Z」とはなにか。決算説明会でマツダの毛籠社長はこう述べている。 「SKYACTIV-GやXの後継である新型4気筒エンジンSKYACTIV-Zエンジンを開発中」 「理論燃焼であるラムダワン燃焼を使い、低回転から高回転まで広いレンジでスーパーリーンバーン燃焼を実現することで高い熱効率を実現し、優れた環境性能と走行性能を提供できる」 「欧州ユーロ7や米国LEV4・Tier4などの厳しい環境規制に適合できるこのエンジンを2027年中の市場投入を目指して進めていく」 「将来は直列6気筒エンジンにも、この新型エンジンの燃焼技術を移植して環境性能を高めていく」
■電動車以外通らないという排ガス規制にエンジンで挑む
上記の記載のなかで難しいのは、まず「ラムダワン燃焼」という言葉。ラムダワンとは「λ=1」の意味で、自動車の世界では理論空燃比(燃料を過不足なく燃やすための空気との質量の比。燃料1に対し空気が14.7)での燃焼のことを指す。 ただしマツダの説明はこれだけでは終わらない。その後に「低回転から高回転まで広いレンジでスーパーリーンバーン(超希薄)燃焼を実現」という記述が続くのだ。 ご存知のとおりリーンバーンは、エンジンの熱効率を上げる有効な手段。すでにマツダはSKYACTIV-Xで極めて高度なリーンバーン燃焼に取り組んだわけだが、思ったほど燃費が稼げなかったり、価格が高かったりして、マツダの主力エンジンとはならなかった。 同じ轍をマツダが繰り返すとは思えないから、SKYACTIV-ZはそんなXのネガを徹底的に潰してくると思われる。さらに「純内燃機関では達成不可能」といわれるユーロ7までクリアするというのだから、その心意気は相当なものだ。