吉田ヤスリ、自社ECで爪ヤスリ「YOSHIDA YASURI」を展開 OEM事業の売上超える
吉田ヤスリ製作所は江戸時代から続く新潟・燕市の金属加工技術を受け継ぎ、爪ヤスリのオリジナルブランドを展開している。もともとOEM製造をメーンで手がけてきた同社だが、オリジナルブランドのネット販売などにより、直販売り上げを伸ばし、事業モデルが転換期を向かえている。 オリジナルブランド「YOSHIDA YASURI(ヨシダ ヤスリ)」では、ステンレス製のシンプルで使いやすい爪ヤスリを販売している。 爪の健康や美容を意識して購入する顧客が多い。実際に爪が割れやすい人や弱っている人にとって、爪ヤスリは重宝されているという。 <必要なときに、必要な人に届けるための認知拡大> ECサイトでは、製造工程や自社の技術力、商品の使い方まで、画像付きで紹介している。 「一般的な爪切りで事足りてしまう人にとって、爪ヤスリは意識されにくい物だと思う。『あるから買おう』と、誰もが思うものではない。だからこそ、納得感を持って、手に取ってもらいたい」(8代目・爪ヤスリ職人 吉田尚史氏)と話す。 一方で「爪ヤスリを求めている人に、ちゃんとうちの商品が出会えること、必要なときに気にかけていただけることも重要」(同)と考えているという。 アパレルショップやセレクトショップのレジ前のガラスケースに置いてもらい、目に留まりやすくしている。革製の爪ヤスリケースを開発し、ギフト需要にも応えやすくした。さらにIPコラボで、ブランドの認知度や信頼感、親しみやすさにもつなげている。 商品を卸す際は、卸先との関係構築にも注力しているという。 「バイヤーさんが商品の魅力を理解して、購入者にきちんと説明していただけるくらいのところに卸したい。丁寧に販売していきたいと考えている」(同)と話す。 誰もが必ずしも使うわけではない、特殊な商品だからこそ、極力、代理店を通さず、直接取り引きしたい考えだ。 今後は海外への販路を、さらに拡大していきたいとしている。新潟の燕産業が海外でも注目を集めているが、国内と同様、商品の魅力を丁寧に伝えながら販売していきたい考えだ。
日本ネット経済新聞