骨粗しょう症の予防法はご存じですか? 原因や日常生活でできるケア方法も医師が解説!
骨が弱くなり、ちょっとしたことで骨折してしまう「骨粗しょう症」。寝たきりになるリスクも高く、その後の死亡率も上昇することがわかっています。一体、骨粗しょう症を防ぐには、どのような点に気をつければいいのでしょうか。「八木整形外科」の八木先生に解説していただきました。 【この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております】
骨粗しょう症の原因
編集部: まず、骨粗しょう症について教えてください。 八木先生: 簡単に説明すると、骨密度が低下して骨がもろくなってしまった状態を指します。骨の量が減ることで、ちょっとしたつまずきや転倒などでも骨折するリスクが高まり、寝たきりの原因になることもあります。 編集部: なぜ、骨粗しょう症になるのですか? 八木先生: 最大の原因は「加齢」です。骨はカルシウムなどのミネラルを原料として作られていますが、高齢になると腸や腎臓の能力が衰え、カルシウムの吸収量が減少してしまいます。また、骨は常に新陳代謝を繰り返しているのですが、年齢を重ねると新しく作られる骨よりも壊される骨の量が多くなってしまい、骨の密度が低下してしまうのです。 編集部: そのほかにも原因はありますか? 八木先生: 骨粗しょう症は、閉経後の女性に多くみられる疾患です。女性ホルモンの「エストロゲン」が骨の健康に大きく関与しており、閉経を迎える頃になるとエストロゲンの分泌量が減少し、骨が脆くなってしまいます。そのほか、運動不足、喫煙、アルコールやカフェインの多飲、ステロイド剤の服用、日照不足なども関係しています。さらに、若い人でも無理なダイエットが原因となって、骨粗しょう症が発症することもあります。加えて、遺伝的な要因が関係していることもわかっています。
骨粗しょう症にならないために日常生活で気をつけるべきこと
編集部: 骨粗しょう症にならないためにはどうすればいいのでしょうか? 八木先生: まずは、生活習慣を見直す必要があります。特に喫煙はカルシウムの吸収を妨げ、骨密度を低下させる原因となるため、タバコを吸っている人は禁煙を心がけましょう。また、過度なアルコール摂取も骨粗しょう症の原因として知られているので要注意です。 編集部: 食事も重要ですか? 八木先生: もちろんです。牛乳、チーズ、小魚、豆腐などのカルシウムが豊富な食事を摂ること、あとはビタミンDを積極的に摂っていただきたいですね。ビタミンDは鮭やイワシ、シラスなどの魚介に多く含まれています。 編集部: ほかにも、注意すべきことはありますか? 八木先生: 運動も骨粗しょう症予防に重要です。通常より早歩きのウォーキングを継続しておこなったり、太ももなどの大きな筋肉を鍛えたりしてみてください。ただし、運動の強度には個人差があるので、無理のない範囲で実施しましょう。 編集部: ウォーキングと筋力トレーニングの両方をおこなうことが必要なのですね。 八木先生: はい。ウォーキングは骨に物理的な刺激を与えて、骨を強化することができます。また、筋力トレーニングをおこなうと骨をサポートする筋肉が鍛えられ、転倒予防にもつながります。